研究分担者 |
古池 時日児 岐阜大学, 教養部, 講師 (60143997)
萬代 武史 岐阜大学, 教養部, 助教授 (10181843)
志賀 潔 岐阜大学, 教養部, 助教授 (10022683)
尼野 一夫 岐阜大学, 教養部, 教授 (40021761)
太田 喜一郎 岐阜大学, 教養部, 教授 (70021772)
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研究概要 |
1.磁場をもつシュレディンガー作用素に対する準古典近似の理論を構成することを主目標に研究を進めた. 準備として, コンパクトな多様体上で磁場をもたない-△+λV(λは正定数)という形のパラメーターの入ったシュレディンガー作用素に対する熱方程式を考え, その解に対する準古典極限λ→∞を考え, その解に対する準古典極限λ→∞を考えたときの漸近挙動について調べた. その結果Vを最小にする点とそれ以外の点とで, 解が非常に異なる挙動をすることを証明した. これはSimon等の結果からある程度予想されるものであるので, さらに考察を進め磁場をもつ場合にも同様の結果を, 2種類の作用素に対して得た. 未だ磁場をもつシュレディンガー作用素に対する準古典近似に理論はなく, 上の結果はその手掛かりになると考え, Zeeman効果等物理学で知られた結果を考え合せて考察を進めてきたが, まとめるには至っていない. 2.またトーラス内の1/2-スピンをもつ粒子の磁場の中での運動を記述するシュレディンガー作用素に対する固有値の漸近分布についての結果を得た. 一般の多様体上でPauli行列をいかに定義するか, ということがこれからの課題で, これができれば, スピンを考えない場合のシュレディンガー作用素に対する, 良く知られた固有値の漸近分布と同様の結果が得られるので興味深い. これは近くまとめたいと考えている. 3.研究課題に関連して, 2階の偏微分作用素に対するultra-contractivityについて学習をし, 1次元の場合, 非常に広いクラスの作用素に対してこれが成立することを証明し, 十分条件を与えた. この結果は, 以前から研究を進めていた1次元のstochastic flowの問題と深い関係があり, 両方を合せて論文にまとめた.
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