研究分担者 |
萩谷 昌己 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (30156252)
大沢 健夫 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (30115802)
成木 勇夫 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (90027376)
三輪 哲二 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (10027386)
斉藤 恭司 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (20012445)
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研究概要 |
計算機代数すなわち計算機による整式処理とその諸算法の整備について, 多くの有用な知見をうることができた. まず代数方程式の解法について, 前世紀に研究されたまま忘れられていた楕円関数による5次方程式の解析的な解法を計算機に載せることの必要性と, そのための目途がついた. ただしその実現には理論全体の見直しが必要であり, 整式処理が有用な道具であったが, 今年度中に完成にはいたらなかった. ひき続き研究を進めたい. また数値解法としてホモトピー法が有用であることを知り, 典型的な例題で実用性を確認した, 桂重俊教授の提案によるスピングラスの方程式がその一例である. 合せて既存の数値計算の算法の中, 一部分を数式処理によって実行すると有利な例を, 固有値問題などで気づいたが, いくつかの例題について試みたのに止った. 副産物として, ヒルベルト行列のコレスキー分解を理論的に求めることができた. これは陰的ルンゲ・クッタ型公式の最高達成可能位数の公式を計算する折りに, 計算の補助として役立った. 今年度所属機関に米国製の並列計算機マルチマックスが導入され, 数式処理システムMACSYMAの新版がその上で活用できるはずであったが, 後者の到着が遅れ, 年度末に僅かに利用できたのに止った. しかし今後の研究にこれまで以上に活用できると期待している.
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