研究概要 |
計算機を用いた教育用ソフトの開発を中心に行なった. 開発に際しては, 線形代数学の講義を側面から補助ができ, かつ自習用としても十分に使用が可能なソフトの開発を心掛けて作成した. 従来の教育用のソフトは, 使用者が既に決定されているコースウェアに従って進行せねばならず, 計算機に動かされているという感覚が強く, コースウェアに柔軟性がなかった. 今回開発したソフトは, 使用者がカリキュレータ(卓上計算機)を使用するのと同じ感覚で使用できるために, 各講師ごとに独自の問題を直接学生に与えればよい. 学生は今回開発したソフトを用いて解答の手順を順々に入力することにより, 正確な解答を作成してくれる. 開発したソフトを使用することにより, 計算の際の悩らわしさから解放され, 線形代数学で使われるアルゴリズムの習線にだけ神経を集中できる. この具体的なアルゴリズムの実践を通すことにより, 抽象的な理論の展開の理解が容易になった. 開発したソフトを有効に使用できる様な講義手順及び問題の作成も進めており半分程度実現した. データベースを土台にしたソフトも開発しており, 数学で使われる定義等をディスクに保存しておき, 必要な時にいつでも取り出せる様になっている. 現時点では, データからデータへと直接に渡り歩けるシステムまでには至ることができなかった. これはグラフィックス関係の開発が遅れたためであり, TRON系の方向に進む計画で作成中である.
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