研究課題/領域番号 |
62540173
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
数学一般
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研究機関 | 統計数理研究所 |
研究代表者 |
清水 良一 (清水、良一 リョウイチ) 統計数理研究所, 統計基研究系, 教授 (10000192)
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研究分担者 |
安芸 重雄 統計数理研究所, 統計基礎研究系, 助手 (90132696)
小西 貞則 統計数理研究所, 統計基礎研究系, 助教授 (40090550)
平野 勝臣 統計数理研究所, 統計教育情報センター, 助教授 (30000186)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | 漸近展開 / 極限分布 / 誤差評価 / 正規分布 / 推定 / 極限定理 / 確率分布 / 近似 / 逆ガウス分布 / ウィーナー過程 |
研究概要 |
数理統計学に於ける重要な問題の一つは与えられた確率分布F(x)からの大きさnの標本に基づく統計量の分布、いわゆる標本分布F_n(x)を決定することである。それが困難なとき、しばしば、n→∞の状態に於けるF_n(x)の近似が問題となる。例えばG(x)=limF_n(x)を決定すること、さらにF_nをGの周りで展開するなどである。この展開を確率分布の近似を与えるものと見做したときに問題になるのは、展開項を有限項(例えば最初のk項)で打ち切ったときの誤差の大きさを評価することである。用もよく知られたエッジワース展開の場合、一般論としてはn→∞としたときに、誤差の大きさがN^<-k/2>のオーダーである、という程度のことが分っているに過ぎない。実際、誤差の上限の大きさは分布F(x)に大きく依存しており、何らかの条件を仮定しない限り、その上限に関する具体的な情報を得るのは難しい。この研究の代表者はこれまでの研究成果を発展させる形で確率変数Xの尺度混合Y=σXの分布FをXの分布Gの周りで展開する問題を研究した。ここで、σはXと独立で正の値のみを取る確率変数である。σが1の近傍で変動するとき、Yの分布はXの分布Gに近いと考えられるから、これをGの周りで展開しそれを有限の項で打ち切ったときの誤差を出来るだけ正確に評価することによってF(x)のより良い近似を得ようという試みである。最大の困難は多変量の場合の扱いで、これまでの方法では満足な結果が得られない。今回の研究では分布関数の近似ではなく確率密度の精密な近似が与えられ、任意のボレル集合Aに対して確率Pr{YεA}を近似することが出来るようになった。このことは多変量の場合に重要な意味をもつ。今後の課題として残りはしたが、一つのアプローチの方法を提供するものとして期待される。また、この研究では各種の推定量の漸近的な性質をも論じ、いくつかのケースについてはその漸近分布を決定した。
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