研究課題/領域番号 |
62540216
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
倉辻 比呂志 立命館大学, 理工学部, 教授 (30178090)
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研究分担者 |
飯田 晋司 ハイデルベルグ大学, マックスプランク研究所, 研究員
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 断熱位相 / 準位交差 / ゲージ場 / カイラル異常 / 超対称性 / 平均場 / BCS模型 / Mott insulator / 分数統計 / 超流動 / 量子ホール効果 / 正準位相 / 断熱変形 / WKB / 超対称 / ヤーンテラー効果 |
研究概要 |
有限および無限量子糸に対する断熱位相の諸様相について、次の成果が得られた。 (1) 原子核の回転一粒子運動のスペクトルに対する断熱位相の効果とくに準位交差の分布に関する定量的分析を行った。 (2) 断熱位相と非可換ゲージ場のカイウル異常の関係について、ゲージ変換の生成子に対する異常交換関係 (Fadeev^´s operator anomaly) がゲージ場に対随する正準構造の変形として確定的に定式化された。 (3) 断熱位相の効果をふくむ準古典 (WKB) 理論の特筆すべき応用として、超対称量子力学が帰結することがわかった。その要点は、断熱位相がボソンのゼロ点エネルギーを消去する作用をもっているというところにある。 (4) 量子凝縮糸への断熱位相の応用として、平均場 (meanfield) に対する効果を検討した。具体的モデルとして、 (i) 超伝導 (BCS) 模型 (ii) Matt insulator模型をとりあげた。前者に関しては、ゲージ空間内で準古典量子化法を適用することにより、Cooper対の電荷が"分数化"することがわかった。また、後者については、電子一空孔対の凝縮をあらわすオーダーパラメーターをダイナミカルな変数とみたとき、そのモードのになう量子数が断熱位相の効果で分数化すること、さらに、その量子数が集団励起の運ぶスピンと固定されたとき、分数統計が導かれることがわかった。 (5) 2次元超流動He^3糸のオーダーパラメータの位相を断熱変形して生ずるホロノミーの効果として、量子ホール効果の直接的類似現象とみられる輸送係数のトポロジー的量子化を予言した。 (6) 断熱位相の一般化 (即ち、断熱性の仮定をはずした) として、"正準位相"の概念を得た。この概念は、いわゆる"非直交完全糸" (overcomplcte set) に一般的に生ずる"量子接続"を実現するものであり、コヒーレント状態経路積分を用いて自然に定式化される。
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