研究課題/領域番号 |
62540224
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤野 豐 (藤野 豊) 東北大学, 工学部, 助手 (60005402)
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研究分担者 |
平林 真 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (00005836)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1987年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 銀ーマグネシウム合金の逆位相長周期構造 / 秩序・無秩序相転移 / 不整合・整合相転移 / 整合化過程 / フェルミ面のネスティング / 電荷密度波 / ポテンシャル・エネルギー波 / 合金の逆位相長周期構造の安定性 / 銀-マグネシウム合金の逆位相長周期構造 / ポテンシャル / エネルギー波 / ポテンシャルエネルギー波 |
研究概要 |
昭和59ー60年度(科学研究費補助金交付前)においてAgーMg合金の逆位相長周期構造には、組成(e/a)依存性のみならず、顕著な温度依存性があり、いわゆる"悪魔の階段"的な不整合・整合相転移の様相を示すことを見出した。昭和61ー62年度においては。不整合・整合相転移のダイナミックスを整合欠陥(Discommensuration)の動きに着目して、透過型電子顕微鏡中で高温ステージを用いてその場観察することに成功した。これは物質名を問はず、不整合・整合相転移の動きを直接その場観察した最初の例であった。これらの結果と典型的な電荷密度波系である2HーTaSe_2の場合の結果とを比較対照することにより、AgーMg合金の長周期構造の起源は、変調モードは通常の電荷密度波の場合の変位型とは異なるものの、同じく電荷密度波によるものであるとの結論を得た。続いて昭和63年度においては、AgーMg合金の逆位相長周期構造が無秩序相からどの様な経過を辿り形成されるかを同様に透過型電子顕微鏡を用いて調べた。その結果、無秩序相から逆位相長周期構造(M=2)が形成される過程は通常の一次の相転移の場合における様な、核生成・成長の機構とは異なり、まず初めに、逆位相長周期構造とほぼ同じ平均周期を持つ規則化した部分と無秩序の部分が層状をなしている準安定な構造が形成され、その後、次第に秩序化が進行して逆位相長周期構造が出現するという、これまでに報告例のない新しいタイプの秩序化機構によることがわかった。さらに、規則化した部分と無秩序の部分が層状をなしている新しい構造は、Fermi面の(110)方向の平らな部分におけるネスティングに起因して生じるものと解釈されることを示した。
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