研究課題/領域番号 |
62540246
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
二木 治雄 琉球大学, 教養部, 講師 (80145549)
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研究分担者 |
矢ケ崎 克馬 琉球大学, 理学部, 助教授 (70045037)
深水 孝則 琉球大学, 教養部, 助手 (10199169)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 核磁気共鳴(NMR) / 核四重極共鳴(NQR) / 低次元磁性体 / 構造相転移 / ヤーンーテラー効果 / ヤーン-テラー効果 / 核磁気共鳴 / 核四重極共鳴 |
研究概要 |
ABX_3型Jahn-Teller結晶であるCsCuCl_3、RbCuCl_3等は、Jahn-Teller効果によって構造相転移をおこす。この構造相転移を微視的見地に立って、NMR、NQRによって研究を行った。結晶変態によって生じる物性的変化が、共鳴線の周波数、線幅、緩和時間等にあらわれるため、これらの正確な測定が必要になる。 CsCuCl_3、RbCuCl_3中のCu原子は、常温で常磁性状態にあるため、各原子の共鳴信号の線幅が、通常における非磁性物質に比べて数十倍に広がっている。その上、高温側での測定が要求されるため、S/N比の改善が急務となり、NMR、NQR装置の製作・改良を行った。その結果、CsCuCl_3、RbCuCl_3について、Cl核のNQRを行い、相転移についての知見が得られる様になった。 製作・改良は、次の2点について行った。1)広幅を正確に測定できる自動測定可能なマージナル発振器の開発。2)パルス法NMR(NQR)装置の製作。1)では、数10KHzの線幅まで測定可能となり、第9回NQR国際研究集会(1988年1月、Kanpur、India)で発表した。 開発段階において、1)のマージナル発振器を高温超伝導体YBa_2Cu_3O_<7ーδ>H_<0.2>の^1H核のNMRの測定に応用した。通常の磁場変調では、超伝導状態での信号検出が不可能であったが、周波数変調によってこれを可能にした。そればかりではなく、高価な機器を使用したμSRによって通常測定する磁場侵入度λを、NMRの線幅の温度変化より決定することが出来た。また、2)のパルス法によってもYBa_2Cu_3O_<7ーδ>H_<0.2>の^1H核のNMRにおいて、スピンー格子緩和時間T_1についての知見を得た。また、広幅のNQR信号として、Chloral Iso-Butylhemiacetalにも用いて、格子欠陥についての多くの知見を得た。 準一次元Jahn-Teller結晶CsCuCl_3、RbCuCl_3等については、今後も精力的に研究し、構造相転移の原因について明らかにしていきたい。
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