研究課題/領域番号 |
62540254
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
佐藤 正俊 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (40092225)
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研究分担者 |
世良 正文 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (40196978)
小野田 雅重 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (30177282)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1987年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 酸化物高温超伝導体 / 単結晶 / 構造決定 / 輸送現象 / 中性子散乱 / 低温電子比熱 / アイソトープ効果 / 高温超伝導体発見 / 物性測定 / 高温超伝導体探索 |
研究概要 |
本計画で提案していた研究内容は、のちにスイスの研究者によりその存在が示された酸化物高温超伝導体の探索を柱としていたため、大フィーバーがおこったこの分野で、他に先がけて研究を進展させる態勢が早くからできており、大いに貢献できた。本研究代表者が62年度特定研交「酸化物高温超伝導体」と63年度重点領域研究「超伝導発現機構の解明」の班にも参加したので、それからの援助も区別せずに利用し、大きく研究を進めることができた。探索の面のみならず機構解明のための物性研究を重視し、結果として多くの成果を得た。特にこの高温超伝導の発現機構が少数の優れた研究から解明されるのではなく広範な視野からの多岐にわたる研究により徐々に理解されていくことになるだろうと予測しその立場から研究を遂行してきた。具体的には焼結体、単結晶双方の試料を作成し、研究目的に合致した試料を臨機応変に用い、輸送現象、帯磁率、比熱等の物性の解明、構造の決定、さらには他機関の研究者と協力した各種実験手段による情報を得て、考えうる機構の枠をせばめた。以下に成果の例を挙げる。(i)超伝導を示すLa系単結晶を初めて作成しその低次元伝導性を験証しCuO_2面の重要性を指摘、(ii)Tlを含んだ系の超伝導を世界で初めて発見した、(iii)低温比熱に温度線型項がないことを示し有力な理論に制約を加えた、(iv)La系、Y系の大型単結晶を作成し中性子散乱実験からCu上のスピンの挙動を明らかにし高温超伝導との関連を明らかにした(特にY系の実験面で大きく貢献した)。またこれに関連してラマン散乱からもCuスピンの挙動を観測した。(v)Bi-Sr-Cu-O系の長周期構造の決定によるBi酸化物の構造に関する一般的概念の形成、(vi)La-Ba-Cu-O系のTcのBa濃度依存性の異常に関連した物性の異常の発見と検討、(vii)La-Sr-Cr-O系の高Sr濃度域までの物性研究を通した電子系の特徴の理解、(viii)Ba-K-Bi-O系のアイソトープ効果研究及び物性研究等々。
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