研究課題/領域番号 |
62540256
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
進藤 浩一 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (10004384)
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研究分担者 |
森田 章 Faculty of Engineering, Iwate University, retired (20004228)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1988年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1987年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | V族元素 / 圧力相転移 / P / Aa / Sb / A7構造 / 単純立方構造 / 体心立方構造 / V族 / 高圧相 / As / 易動度 |
研究概要 |
1.V族元素それぞれの固有原子レベルを変化させた擬原子の非局所擬ポテンシャルを測度保存に基づいた第一原理から求めた。それらのポテンシャルを用いて結晶の全エネルギーおよび状態密度、電荷分布等の電子状態の計算を行い以下の結論を得た。(1)PがAsよりずっと低い圧力でA7構造から単純立方構造と転移する原因は、両原子の内核状態の違いによっており、Pの擬ポテンシャルのd成分の引力部分がAsのそれよりかなり強いため、フェルミ面におけるネスティングが不十分でありA7構造を安定化するパイエルス転移の効果を弱めているためである。(2)各元素の超高圧相は静電エネルギーの利得により体心立方構造になる。(3)AsとSbの高圧下でのP-V曲線を再現した。(4)Sbが単純立方構造をとらずに体心立方構造となるのは、前者の結合電荷が主としてP電子であることと、原子のPレベルの位置の違いが両構造の安定体種に大きな違いをもたらすことによる。一方、Sレベルの違いは構造相転移の様子にはほとんど影響しない。(5)これらの解析方法は常圧および低圧での複雑な構造および相転移の多様性も説明できるはずであり、現在準備中である。 2.凍結フォノン法による黒燐構造の(001)方向のゾーンエッジのフォノン振動数のソフトニングの計算から、絶対零度でもA7構造への転移が可能なことを示した。 3.黒燐構造でのPの易動度の異常な方向依存性を明らかにした。固定イオンモデルと長波長フォノンモデルに基づいたデフォーメーションポテンシャルをバンド計算から求め、ボルツマン方程式を解き実験と一致する値を得た。異方性の原因は横波弾性波の異常なソフトニングによる電子-格子相互作用の異常な振舞いによる。
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