研究課題/領域番号 |
62540258
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
立木 昌 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20028111)
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研究分担者 |
高橋 三郎 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60171485)
小山 富男 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30153696)
前川 禎通 名古屋大学, 工学部, 教授 (60005973)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 重い電子系 / アンダーソン格子 / 近藤効果 / 状態密度 / スピンのゆらぎ / 酸化物高温超伝導体 / 周期的アンダーソンモデル / セリウム化合物 / ウラニウム化合物 |
研究概要 |
稀土類化合物やアクチノイド化合物のf電子系は、通常局在電子という描像がきわめて良く成立することが知られている。しかし、Ce化合物やU化合物の中には、低温でこの描像が成立せず、温度の低下とともに重い電子状態と呼ばれる、きわめて大きな有効質量を持つフェルミ液体状態に移行するものが存在する。この重い電子状態の出現は、強結合電子多体系が低エネルギー領域で示す普遍的性質であり、その解明は固体物理学の基本的課題となっている。 我々の研究課題の第一は、この重い電子系の低エネルギーの電子構造を理解することにあった。この系の1電子状態密度は、フェルミ準位近傍に重い電子状態をもたらす鋭いピーク構造を持つと考えられている。我々は、重い電子状態の形成にf電子のスピンのゆらぎによる繰り込み効果が本質的な役割を果たしている、と考えて電子状態の計算を行った。その結果、低エネルギー領域に大きなスピンのゆらぎが存在すれば、低温で大きな有効質量を持つ準粒子状態が形成され、これにともなって状態密度はフェルミ準位近傍に鋭いピーク構造を持つことを示した。また、温度が上昇すると、この準粒子状態は不安定化し、不純物近藤状態に似た共鳴状態に移行することも示した。この結果は、重い電子系が高温で不純物的近藤効果を示すこととコンシステントである。 酸化物高温超伝導体は重い電子系である、という認識が広まってきている。我々はこの立場に立って、酸化物高温超伝導体の研究も進め、これらの物質の超伝導の機構には、フォノンやスピンのゆらぎよりも電荷のゆらぎが重要であるという理論を提出した。又、この酸化物に含まれる銅の核緩和時間の異常な温度変化は、スピンのゆらぎと超伝導との相互作用より理解できることを示した。
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