研究課題/領域番号 |
62540259
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 増雄 東京大学, 理学部・物理学教室, 教授 (80013473)
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研究分担者 |
宮下 精二 東京大学, 理学部・物理学教室, 助手 (10143372)
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研究期間 (年度) |
1987
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研究課題ステータス |
完了 (1987年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1987年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | コヒーレント異常法 / 臨界現象 / 臨界指数 / イジングモデル / ハイゼンベルクモデル / 量子系 / パーコレーション / 相転移 / 臨界緩和 |
研究概要 |
代表者によって提案されたコヒーレント異常法(CAM)を用いて多くの協力現象が研究された. まずこの方法の原理及び基礎づけに関して厳密解が知られている2次元イジング模型への応用が詳しく調らべられ, 臨界温度や臨界指数がたいへん良い精度で求められることがわかった. これによりCAMの有用性が実証された. またこの方法を基礎づけるいくつかの厳密な関係も証明された. さらにこの方法によって3次元イジング模型の臨界現象も調べられ, これまで高温展開やモンテカルロ法等で知られていた値を正しく再現することもわかった. またこの方法で相関関数に関する指数も研究し表面の有無に応じて指数が変ることも確認し具体的な値も求めた. これら静的な性質以外に動的な臨界現象特有の性質である緩和時間の発散(臨界緩和現象)もこのCAMによって調べられその発散の指数Zの具体的評価を行った(Z=2.15)0, この値は他の方法で得られている値とコンシステントなものである. さらにこの指数が対応する静的指数(帯磁率の発散γ)より大きいことも示された. 量子スピン系の相転移もこのCAMの方法によって研究されはじめている. まず3次元ハイゼンベルク模型において異なる3つの近似の結果に対しCAMの考え方を適用し臨界指数γ及びβ(自発磁化出現の指数)が評価された. スピン系以外への応用例としてパーコレーションやアブリゲーションの模型の性質解明にこのCAMの考え方が応用された. また自己回避酔歩の経路数もこの方法によって調べられ従来直観的な議論によって与えられていた漸近的な性質を系統的に評価した. またCAMの基本的考え方は必ずしも平均場近似のみに適用されるのではなく級数展開に対しても新しい解析の方法を与えることも提唱され幾つかの例でその有用性が示された.
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