研究課題/領域番号 |
62540262
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高山 一 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (40091475)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | スピングラスの平均場理論 / 準安定状態空間の超計量性 / リエントラント転移 / ナィーブ平均場模型 / ランダムな多自由度非線形動力学系 / モードロッキング現象 / CDW電流の雑音 / CDW電流の確率的な振舞い / 自由エネルギーの多谷構造 / ナイーブ平均場模型 / 福山ーLeeーRice模型 / 準安定状態 / SK模型 / 超計量性 / 電荷密度波のダイナミックス / 福山-Lee-Rice模型 / モードロッキング / 狭帯域雑音 / 広帯域雑音 |
研究概要 |
フラストレーションを含むランダム系においては準安定状態が多数存在し、位相空間でみた自由エネルギーは複雑な多谷構造をもつ。その階層的な構造、および、それに起因するダイナミックスや記憶現象に対するより深い理解を目的として、おもにスピングラスの平均場模型に関して詳細な解析を行なった。また、擬1次元導体に生ずる電荷密度波(CDW)をスピングラス的なランダム性をもつ多自由度非線形動力学系であるとする観点から、CDWを古典力学に従う連続媒質と見なす福山ーLeeーRice(FLR)の模型に基づいた解析を行い、その多様な電気伝導現象を統一的に理解することを試みた。本研究により以下の点が明らかにされた。 1.スピングラスの平均場模型に関して:(1)SK模型の、実磁化空間でみた自由エネルギー構造は超計量的であり、熱活性化過程による状態の緩和過程は引き延ばされた指数関数型になる。(2)個々のスピングラス物質のもつ相互作用の特長を捕えるようにSK模型を拡張することにより、それぞれの物質でのリエントラント転移の振舞いなどを説明できる。(3)SK模型から導かれたスピングラス描像が、SK模型の状態方程式においてOnsagerの反跳場項を除いた式で記述される系(ナィーブ平均場模型)にも当てはまる。 2.CDWのダイナミックスに関して:(1)FLR模型の非線形電気伝導度は特長的な次元依存性を示し、3次元系のものが実験結果に対応する。(2)CDW系のモードロッキング現象は、外部交流電場に誘起された協力現象と理解される。(3)熱浴効果を含めたFLR模型におけるCDW電流の確率的な振舞いは、狭帯域雑音ピークの幅や1/f型の広帯域雑音の実験結果とよく符合する。これらの現象は、CDWの運動パターンにも定常状態に近いものが多数存在し、熱活性化過程によってCDWがその間を確率的に推移することに起因するものと理解される。
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