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溶液反応の理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62540327
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 物理化学一般
研究機関名古屋大学

研究代表者

平尾 公彦  名古屋大学, 教養部, 教授 (70093169)

研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1987年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
キーワード溶液反応 / S_N2反応 / クラスター / モンテカルロ法 / 溶媒効果 / 分子軌道法
研究概要

化学反応の多くは液体を媒介としており, 溶媒和や脱溶媒和が化学反応速度を律している. つまり溶液反応では, 反応に直接関与する分子間の相互作用ばかりでなく, 溶媒分子と反応分子あるいは溶媒分子間の相互作用やエネルギー移動が重要である. 一方, クラスター反応は気相と液相反応を結びつけるものとして興味がもたれ, 実験結果も集積しはじめている. 本研究ではSN2イオン反応
Cl^-+RBr=ClR+Br^-(R=CH_3, C_2H_5, iso-C_3H_7)
を例にして, 気相, クラスター, 溶液中でのポテンシャル曲面を求め, 各々の電子状態の差異に注目して化学反応を分子論的立場から解明することを試みた. 気相とクラスター(水を溶媒とする)反応については, ab initio分子軌道法によって, 反応物, ion dipole complex, 遷移状態, 生成物の構造を最適化し, 反応経路に沿って精密なポテンシャル曲線を得た. この反応(R=CH_3)は, 気相では負の活性化エネルギーを持っているが, このことは理論的にも実証された. また反応の制御にはCH_3の傘の開閉が重要で, この効果をumbrella effectと名付けられた. またクラスター反応では2個の水分子をつけた場合を扱い, 反応経路の5点で, 構造を最適化した. 特に反応物, 生成物におけるイオンの溶媒和と遷移状態における溶媒和との違いにより, 反応の活性化エネルギーが負から正に変化する様子が分子レベルで実証された. 溶液反応は, 水を溶媒とし, 溶媒-溶質間, 溶媒-溶媒間のpair potentialは, ab initio計算で定め, モンテ・カルロ法による計算機シュミュレーションを行ない, ポテンシャル曲面を求めた. 現在, これらから熱力学的諸費を算出中である. 現在までの計算で, 溶媒効果に関する理論的計算はほぼ終了し, 本研究の目的は達成されたものと考えている.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K. Hirao: J. Comput. Phys. in press.

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] K. Hirao and P. Kebarle: J. Amer. Chem. Soc. submitted for publication.

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] P. Kebarle;G. W. Dillow;K. Hirao: Diacussion of the Faraday Society in press.

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] S. Yamabe;T. Tsuji;K. Hirao: Chem. Phys. Lett. in press.

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] H. Wasada and K. Hirao: Chem. Phys. Lett.139. 155-158 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] K. Hirao: Chem. Phys. Lett.135. 539-542 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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