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キセノン溶液法の開発とその構造化学への応用

研究課題

研究課題/領域番号 62540352
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 構造化学
研究機関広島大学

研究代表者

角本 輝充  広島大学, 理学部, 助手 (50185724)

研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1987年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワードキセノン溶液 / 赤外吸収スペクトル / 回転異性 / ジクロロエタン
研究概要

低温での1.2-ジクロロエタンの異性体の研究を下記のように行なった.
1.キセノン溶液セルの作製 低温かつ高圧に耐えるキセノン溶液セルを以下のように作製した. セルの材質は, 熱伝導性が良く, かつ加工しやすい真鍮を選んだ. セルの容積は約4mlである. セルの窓材は, 強度が高く, かつ赤外光を透過するKRS-5(22mmφ×4mm)を選んだ. セルと窓材の間のシールドは, 低温に耐えるインジウム線(1mmφ)を選んだ. 試料の導入口は, 熱の損失を防ぐために熱伝導性の悪いステンレス性のパイプ(約3mmφ)を選んだ. セルの底には, 白金-ロジウム熱電対を取り付け, セルの温度をモニターした. また, セルと冷凍機の途中にヒーターを取り付け, セルの温度を制御した. セルは, 購入した高真空排気系によって高真空に保たれたチェンバー内に入れて冷却した.
2.試料の調整とスペクトルの測定 1.2ジクロロエタンの蒸気とキセノンガスを約1:100の割合で混合した. 溶液セルを約130Kに冷却して, 混合ガスをセル内に凍結した. セルの温度を162Kまで上昇させると, キセノンは液体となり, 12ジンクロロエタンが溶解した. 赤外吸収スペクトルは, 日立260-50赤外分光光度計を用いて測定した. 分解能は約1cm^<-1>である.
3.スペクトルの解釈 1.2-ジクロロエタンのみを162Kに冷却した時には, trans形のバンドのみしか測定できない. 本研究室では, キセノン溶液にすることによって, gauche形のCH_2変角振動のバンドを1297cm^<-1>に, trans形のバンドを1234cm^<-1>に測定することができた. 従って, 1,2ジクロロエタンは, キセノン中でgauche形と, trans形が平衡になっていると解釈できる. また, gauche形と, trans形の強度比は約1:9であり, 通常のArrhenius plotから大きくはずれるという興味深い現象が見出された. 現在, トンネリング効果の現象を考慮して検討を進めている.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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