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時間分解ESR法による包接化合物を用いた光化学反応初期過程の動力学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62540357
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 構造化学
研究機関大阪大学

研究代表者

村井 久雄  大阪大学, 理学部, 助手 (50142261)

研究分担者 桑田 敬治  大阪大学, 理学部, 教授 (50028099)
研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
キーワード時間分解ESR / シクロデキストリン / 励起三重項状態 / エネルギー移動 / CIDEP / スピン分極 / キサントン / 包接化合物
研究概要

包接化合物を用いた時間分解ERS法による光化学反応初期過程に関する研究を二つに分割した. まず第一は光化学反応前駆体である芳香族化合物の励起三重項状態に関する研究, 第二はその励起状態から引き続き起こる化学反応に関する研究である. 今年度は第一の研究を主に実行し, 第二の課題に関してはその準備を行なった. 包接化合物としてはシクロデキストリンを用いた. まず包接化合物を用いる前に, 通常の溶液における芳香族化合物の励起三重状態(ここでは生にキサントンを用いた)を77Kで測定し, そのスペクトルが溶媒の極性, 特に微量の水, の影響を受けることが明らかとなった. 次に空洞の大きさの異なるα, β, γと呼ばれる三種のシクロデキストリンの水溶液を用い, 77Kに凍結後同様に測定を行なったところ, α中では水との相互作用のない三重項状態が, βとγ中では水との強い水素結合の影響が現れた. したがってα中ではキサントンのカルボニル基部位が十分に水分個から隔離されていることが明らかとなった. βとγ中ではその空洞が大きく水分子も同時に包接されていると考えられる.
次にキサントンと一緒にナフタレンの様な平面性が良くまた能率良く三重項目エネルギーを受けとることができる分子を溶液中に添加した. その結果α中ではキサントンのみ, β中では主にキサントンの励起三重項状態が観測された. γ中ではキサントンの三重項状態は消失し, 明らかにナフタレンによるスピン分極をもった励起三重項状態に置き換わった. この分極をコンピューターによりシミュレーションにすることにより, γシクロデキストリン中においてはキサントン分子とナフタレン分子が平面性を保ちつつその長軸方向を45°傾けていると結論づけられた.
現在は, 温度可変による溶液の実験を行なっている.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Hisao Murai: Journal of Physical Chemistry. (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Hisao Murai: Chemical Physics Letters. (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Keishi Ohara: Journal of Physical Chemistry.

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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