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海洋生物に広く分布する特徴的紫外吸収アミノ酸類の存在意義

研究課題

研究課題/領域番号 62540403
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 天然物有機化学
研究機関静岡大学

研究代表者

上村 大輔  静岡大学, 教養部, 助教授 (00022731)

研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1987年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワード海洋生物 / 特徴的紫外吸収物質 / 存在意義 / 紫外線遮断 / 密度調節 / 化学合成 / パリシン / 鞭毛藻 / 培養
研究概要

海洋生物, 特に表層部に生息するものは, 必ず310〜360nmに特徴的紫外吸収極大をもつアミノ酸を含んでいる. これらアミノ酸類の構造はすでに報告したが, その存在意義については明らかでない. 陸上植物におけるフラボン類と同様に紫外線を遮断し, DNA・RNAの保護をする. 一次生産者藻類にとって光合成と関係し, 増殖上必須である, 藻類の密度調整物質として働く等の可能性が考えられる. 本研究では, これらの点について検討し, 存在意義を解明することを目的とする.
数種類の鞭毛藻を培養し, 337nmに紫外吸収極大を有する物質を単離し, その構造と確認した. つぎに310〜360nmの光をあてて藻類を培養したところ, 明らかに紫外吸収物質の量的増加が確認された. それ故, 紫外線からの保護としての意義が推定された. 一方, 培養液中にも紫外吸収物質が排出されるのが確認されたので, つぎにこれらの物質を培養液中にある濃度で加えたところ, 増殖が阻害された. このことより, 密度調節に働いていることも示唆された.
さて, これらの紫外吸収物質はシクロヘキセノン構造を有し, 母核に1個の不斉炭素をもっている. この立体化学は360nm吸収物質についてはR配置と決定されているが, 他のものについては明らかではない. そこで, D-(-)-キナ酸を原料にしてパリシン(320nm)の合成を試みた. 現在今少しで完成するところまで進んでいる. いずれにしても, 合成が完成すれば種々の同族体が得られるので存在意義解明のための実験に利用できると考えている.
これらの物質は, 海洋生物が海から陸へと移動する時に重要な意味をもっていた. あるいはもっていると生物学的には考えられ, 今後もいろいろな角度から研究を進める.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] I. Muramatsu: Br. J. Pharmacol.(1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 上村大輔: 化学. 43. 24-25 (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] E. Grell: Na, K-ATPase. (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Y. Hirata: "Handbook of Natural Toxins" A. T. Tu編, (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 上村大輔: "化学増刊III「海洋天然物化学」" 北川勲編, 205 (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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