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生物起源有機物の酸素同位体比の測定

研究課題

研究課題/領域番号 62540429
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 分析・地球化学
研究機関富山大学

研究代表者

吉田 尚弘  富山大学, 理学部, 助手 (60174942)

研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1987年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワード生物起源有機物 / 酸素同位体比 / 不均化反応 / 石炭 / 堆積岩 / 熱変成作用
研究概要

有機物の酸素同位体比(〓^<18>O)測定のための試料調整は次の二段階から成る. (1)第一段階は有機物のCO_2, COへの分解である. Ni反応菅中での熱分解法なども実験したが, CO_2の収率と〓^<18>Oの再現性の点で, HgCl_2による塩素化分解反応がより優れていた. セルロース, 塩酸d-グルコサミン, 石炭などを用いた分解実験の結果, 最適な反応条件は有機物の50倍程度の重量のHgCl_2を加え真空の石英封菅中で500°C, 8時間加熱を行うことであった. (2)第二段階はCOの不均化反応である. 市販の高純度(99.99%)のNi粉末は未処理では純粋なCOを定量的に不均化せず大きな同位体分別(最高でも90%の回収率で-6〓)を伴うことが分かった. 高純度の水素で還元処理したNi粉末上では定量的に不均化が行われたがN_2存在下では行われなかった. さらに活性な細粒Niの調整方法として次の二法を検討し, 満足の行く結果を得た. (a)硝酸ニッケルを500°Cで分解し生成したNiOをH_2, 300°Cで還元する. (b)塩化ニッケルとアルカリから生成した水酸化ニッケルを凍結乾燥し, 生成したNiOを同様に還元する.
上記の方法を用いて化石有機物試料について次に示す二つの結果を得た. (I)通産省地質調査所より入手した北海道産石炭の〓^<18>Oは11〜13〓の範囲に集中し, 起源物質である石炭紀の陸上植物の〓^<18>Oは15〓付近であったことが推定された. これは, この地域の古緯度が現在より低く, 温暖な気候にあったことを示している. (II)岐阜県春日地方で採取した熱変成堆積岩に含まれる有機物の〓^<18>Oは5〜20〓と, 大きな分散を示した. 変成度の最も低い有機物は約5〓で, 起源物質である海洋性植物が堆積後の続成作用を受けて10〓以上^<16>Oに富む様になることが初めて観測された. 有機物はさらに熱変成作用を受けて, 主にH_2OとCH_4そして若干のCO_2を放出し〓^<18>Oを上昇させる. 熱変成作用の同位体分別は酸素が最大で, 水素, 炭素については小さいことが分かった.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Naohiro YOSHIDA: Geochimica et Cosmochimica Acta.

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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