研究課題/領域番号 |
62540531
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物形態・分類学
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
鮫島 正純 (財)東京都臨床医学総合研究所, 超微形態研究部門, 主任 (90142653)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1988年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1987年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | Dictyostelium / 核小体 / 微小管 / アクチン線維 / 細胞分化 / 細胞運動 / 急速凍結法 / 間接蛍光抗体法 / サイトカラシン / ノコダゾル / 間接蛍光体法 |
研究概要 |
細胞性粘菌Dictyosteliumの集合期に、核の先端部に出現する核小体の突起とノズル状構造の形成機構と機能について、急速凍結置換固定法、間接蛍光抗体法、細胞分画法、二次元ゲル電気泳動法などを用いて検討した。 1.核小体突起およびノズルの形成機構 (1)ノズル状構造の形成は核膜に結合した微小管に依存している:集合期細胞では、十数本の微小管が核とノズルに沿っていたが、ノコダゾル処理によって微小管とともにノズル構造も消失した。核を単離すると微小管形成中心(MTOC)から伸びた微小管がやはり核膜に沿っていた。増殖期細胞から分離した場合、MTOCは付着していたが微小管は見られなかった。 (2)突起の位置は微小管が決定しているが、その形成はアクチンによるらしい:増殖期と集合期の両方の細胞から核小体を単離することができたのでそれらの蛋白質を分析したところ、細胞質からの混入の可能性を完全には否定できないが、アクチンが主要成分のひとつであった。サイトカラシンBの影響を調べたところ、ノズルは形成されていたが、突起の出現が明瞭でなかった。ノコダゾル存在下では、核の横に突起が形成された。 (3)増殖期には核膜に接して存在している核小体が、集合期になるとアクチン線維に依存して突起状になり、さらに核膜と微小管を結合するキネシンのような分子が出現すると、アンテログレイドな核膜の動きによって突起は核の前端に移動し、その先端にノズルが形成されるであろうと推定された。 2.核小体突起及びノズルの機能:ノコダゾル及びサイトカラシン存在下では集合が遅延したが発生は進行した。塩溶液中では集合直後に発生が停止した。この時、突起かノズルのいずれかが形成されていなかった。したがって、これらの構造は細胞分化に必須ではないが、集合期の移動運動や分化の進行の効率に関与しているらしい。
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