研究課題/領域番号 |
62540544
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物発生・生理学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中西 康夫 名古屋大学, 理学部, 助教授 (40022636)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 唾液腺 / 形態形成 / クレフト形成 / 上皮一間充織相互作用 / コラーゲン / ヘパリチナーゼ / ヘパラン硫酸 / 三次元表示 / 上皮-間充識相互作用 / 上皮-問充織相互作用 / コラゲナーゼ / X線照射 / プロテオヘパラン硫酸 |
研究概要 |
上記研究課題についての研究成果を以下にまとめる。 1.マウス胎仔唾液腺上皮の形態形成ークレフト形成ーに必須なコラーゲンタイプは、多くの実験事実からIII型と推定された。III型コラーゲンに対する特異抗体による染色で、上皮のクレフト部位にこのコラーゲンが蓄積していることが発見され、上の推定が実証された。 2.固定した唾液腺原基の連続切片をIII型コラーゲンに対する抗体で染色したものから、上皮ー間葉間におけるIII型コラーゲンの分布の三次元再構築を試みた。その結果、クレフトに沿ってIII型コラーゲンが蓄積し、球型の小葉から小さな小葉を切り取るように小葉全体をとりまいていることが明らかとなった。このことは、間充織細胞がコラーゲン繊維をけん引して上皮に力を加えてクレフト形成を行うとの我々の仮説と矛盾しない。 3.上皮の分枝を誘導できる間充織細胞は、細胞が群となって一定方向に運動する特性を持っているが、コラゲナーゼでこの運動は阻害されることから、コラーゲンは細胞の集団運動にも大きな役割を果していることを実証した。このことは間充織細胞がコラーゲンをけん引することができる性質と関連していると思われる。 4.単一蛋白まで精製されたヘパリチナーゼは上皮の分枝を完全に阻害することを実証した。[^<35>S]硫酸を用いた標識実験により、培地に加えられたヘパリチナーゼは組織中のヘパラン硫酸を完全に分解除去することが証明され、ヘパラン硫酸が上皮の形態形成に重要な役割を果していることを示した。 5.上皮と間葉間に働く力のバランスの重要性を解決するために必須な上皮細胞の増殖因子を検索したが、現在のところ有効な因子を発見できない。今後も引き続き努力を続けたい。
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