研究課題/領域番号 |
62540553
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物発生・生理学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
伊東 鎮雄 熊本大学, 理学部, 教授 (60040086)
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研究分担者 |
佐藤 栄治 熊本大学, 教養部, 講師 (20128276)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1987年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | イモリ胚 / 表皮活動電位 / 電気的結合 / 組織移植 / 細胞培養 / 組織間移植 |
研究概要 |
表皮活動電位を発現する興奮性能力のあるイモリ胚(st.31)の体表に、イモリ原腸胚予定表皮外胚葉を移植して、1日培養した予定表皮細胞は、それ自身興奮性を有しないが、宿主細胞よりの興奮性活動電位に応答する。また既に興奮性を現し始めた単層培養5日目の表皮細胞に原腸胚の予定表皮を細胞解離して接触培養すると、未だ興奮性を発現しない2日目培養細胞は、古い細胞で生じた活動電位に応答する(ITO and Takamune,1982)。このことは表皮活動電位発現伝達をプロモートする機構があると示唆された。この仮定が成立するかどうか以下の実験を行った。表皮細胞間では電気的結合がよく、電気的緊張電位の拡がりは刺激点より300μmに達する。もし、興奮性発現のプロモート機構が働くとすれば、新しい表皮細胞間の興奮性の拡がりは、電気的緊張電位の拡がりを越えて新しい表皮細胞の広範囲に及ぶ可能性がある。しかし実験結果は、新しい表皮細胞に生じる脱分極の高さの減衰は電気的緊張的拡がりと同じであった。つぎに宿主胚に原腸胚予定表皮外胚葉を移植する場合、組織構築上の接触型を変えて、古い細胞より活動電位を発生させ、接触点の異なった新組織の種々の点で応答の高さ、反応伝達時間と刺激点よりの距離の関係を見た。その結果、移植周囲の宿主細胞から発生した表皮活動電位変化の総和の反映が新しい組織の測定点で捕捉されるものであり、移植片自身からの興奮性発現によって出現するものでないことが明らかになった。したがって、古い組織で発現した表皮活動電位は新組織に電気緊張的に拡がり伝わるものであって、プロモート機構は存在しないことが明らかになった。
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