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滑走説のみでは説明不可能な収縮現象の解析

研究課題

研究課題/領域番号 62540559
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 動物発生・生理学
研究機関帝京大学

研究代表者

土屋 禎三  帝京大学, 医学部, 助教授 (30091036)

研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1987年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
キーワード横紋筋 / 滑走説 / 収縮張力 / 電気刺激 / 張力増強 / 張力低下
研究概要

筋収縮の滑走説によると, 横紋筋の発生する張力は太いフィラメントと細いフィラメントの重なり合いの程度により決まる事になっている. しかし実際には筋肉の発生する張力はその履歴により大きく異る. その顕著な例として二つの現象が知られている. 一つは, 等尺性収縮中に筋肉を5〜12%ゆるやかに伸長すると, 伸長中及び伸長後, 張力は滑走説で説明されるより大きな値を示す事であり, 他はこれとは逆に, 等尺性収縮中に5〜12%ゆるやかに短縮させると, 短縮中, 短縮後に張力は滑走説で説明されるよりも低い値となる事である. これらの機構を調べる為, 当研究では二つの方法を用いた.
まず収縮中に結合しているクロスブリッジの数の指標とされる筋肉の硬さを測定する為, 筋肉に1KHz, 振幅0.1%の正弦波を与え, それにより生じた張力応答を測定した. その際まず最初に振動を与えないで張力を記録し, その後振動を与えて張力記録を得て, 両者の差をデジタル的に求めた. 当研究に与えられた補助金により購入したデジタルオッシロスコープはこの目的の為には欠くべからざるもので, 完全にその機能を発揮し, 目的を達成した. その結果は次の通りである.
1.前者の現象の場合には, 筋肉の硬さは伸長の初期には一過的に約15%程度増加1.伸長停止後2〜3秒で滑走説で説明される値にもどる.
2.後者の現象の場合には, 硬さと張力は著しく並行した変化を示した.
3.筋繊維の長軸方向の局所な長さ変化を筋繊維の表面に炭素を付着させ毎秒200コマの高速ビデオで撮影し調べた. 前者の場合には筋繊維は全長にわたりほぼ均等に伸長していたが, 後者の場合には不均一性が著しく, 筋繊維の中央部はほとんど短縮しない事が判明した. 以上の結果から二つの現象は全く異る機構に基くものと推測される.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Tsuchiya,T.: Molecular mechanism of muscle contraction,edited by H. Sugi & G.H. Pollack,Plenum. 503-512 (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Tsuchiya,T.: Molecular mechanism of muscle contraction,edited by H.Sugi & G.H.Pollack,Plenum. 527-540 (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Tsuchiya,T.: Biophysical Journal. (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Tsuchiya,T.: Journal of Physiology(London).

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Tsuchiya,T.: Comparative Biochemistry and Physiology. 88A. 557-561 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Tsuchiya,T.: Journal of Muscle Research and Cell Motility. 8. 277 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] "現代科学技術百科" 岩波,

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] "理科年表生物部データマニュアル" 丸善,

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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