研究課題/領域番号 |
62540568
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物形態・分類学
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小林 靖夫 岡山大学, 理学部, 教授 (50008603)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | マウス / 下垂体中葉 / 電子顕微鏡 / 形態計測 / 多飲・多尿 / 尿素 / 浸透圧 / 多飲 |
研究概要 |
マウス下垂体中葉機能について、水・塩類代謝との関係に焦点を合せて研究を進めてきた。本研究では、経口尿素負荷により、マウス下垂体中葉細胞の分秘活性が有意に上昇することを明らかにした。これは従来われわれのNa欠乏食投与(1974、1976)、実験的多飲多尿(1984)に次いで尿素が第3の下垂体中葉細胞刺激要因であることを示した始めての報告である。以下に多飲条件下での尿素負荷から尿素添加固型飼料投与実験へ至る一連の研究についてその概略を述べる。 (1)尿素経口投与による多飲条件下授乳期マウス下垂体中葉細胞の変化 乳児用粉ミルク11.5%の液体飼料に、尿素1%を添加して授乳期マウスに投与した。液体飼料対照群に比較して、尿素添加群では、有意の蛋白合成能増加と分秘顆粒放出増加を示す超微形態計測結果が得られた (2)尿素経口投与による多飲条件下雄マウス下垂中葉細胞の変化。 授乳期の中葉細胞にのみ尿素の刺激効果があるか否かを調べるために雄性マウスを用いて実験を行った。5%グルコ-ス中に3%乳児用粉ミルクを溶かした液体飼料に尿素1%を添加したものを投与した。液体飼料対照群に比較して、尿素添加群では、蛋白合成と分秘顆粒放出の有意の増加を示す超微形態計測結果が得られる。 (3)尿素添加固型飼料摂取による雄性マウス下垂体中葉細胞の変化。 尿素濃度6%、12%及び24%含有の固型飼料をつくり投与した。下垂体中葉細胞の分秘活性は、尿素用量依存的に有意に亢進することが超微形態計測法により判明した。また、この時マウスの飲水量も増加した。 以上の結果から、自発的経口尿素がマウス下垂体中葉細胞分秘活性を亢進する機構として(1)尿素による視床下部性抑制の減弱、(2)中葉ホルモンの尿素排出促進作用、(3)水・塩類代謝変化の影響などが考えられる。今後の詳細な研究が期待される。
|