研究分担者 |
栗田 敬 東京大学, 理学部・地球物理学教室, 助手 (00111451)
金川 久一 東京大学, 理学部・地質学教室, 助手 (40185898)
村田 明広 東京大学, 理学部・地質学教室, 助手 (20143373)
鳥海 光弘 東京大学, 理学部・地質学教室, 助教授 (10013757)
吉田 鎮男 東京大学, 理学部・地質学教室, 助教授 (50011656)
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研究概要 |
1.本年度の研究の大半は, 回転装置付圧縮試験機の試作に費された. 試作上の工夫点は以下のとおりである. (1)油圧装置に中空シリンダータイプを用いた. このことによって試料ホルダー垂直応力を作用させつつ試料ホルダーを回転させることが容易となった. (2)回転の駆動力は電動モーターによるが, 回転数の変更を容易にするためにモータードライブの変速器をセットした. (3)試料ホルダーは, 汎用性をもたせるように底面は共通の仕様とした. 上面のみを目的にあわせて変えられるようにしてある. 例えば, 本研究の目的である石英粒の粉砕のためには, 円弧を描く溝がホルダーの上面に切ってある. 断層破砕帯の類似物を作るためには, ディスク状に整形した岩石をホルダー上面にエポキシ系接着材ではりつけたものを用いた. このようにして, 実験装置の骨格が試作された. 2.試作された実験装置を用いて, 2種類のテストランが繰り返された. 1つは石英粒の粉砕であり, 他の1つは, 花コウ岩を用いた破砕帯類似物の形成である. 垂直応力の可変域は0〜70バールでそれ以上の垂直応力に抗して試料を回転させるにはより強力なモーターが必要である. このような低応力実験しかできなかったのは, 摩擦係数を0.1としてトルク計算をした設計上のミスによるものである. 回転数は1〜10r.p.mとした. 3.このような低垂直応力下, 低回転数下でも1分間程度実験を継続するならば, 石英粒は完全に粉砕され, 類似的な断層破砕物を形成することが明らかとなった. 当初目的であったESR信号強度消失の力学的条件を決定するには至らなかったが, そのための実験装置の骨格は製作されたといえよう. なお, 力学的条件を決定する実験のためには, 試作された本装置のモーターをより大きなトルクを持つものに取り換える必要があるが, それは容易である.
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