研究課題/領域番号 |
62540579
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地質学一般
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
小林 武彦 富山大学, 教養部, 教授 (80019257)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 火山活動 / 火山活動史 / 乗鞍火山帯 / テフロクロノロジー / 広域テフラ層 / 御嶽火山 / 新期御嶽テフラ層 / 立山火山 / 大町テフラ層 / 高野層 |
研究概要 |
1.御嶽火山、立山火山起源のテフラ層の相互対比と、姶良Tn火山灰、大山倉吉軽石層、大山関金軽石層、阿蘇4火山灰、鬼界ー葛原火山灰層など外来の広域テフラ層の層準を検討した結果、御嶽、立山の新期の火山活動はほぼ同時期に類似した変化を起した事が分かった。その年代は、新期御嶽の下部テフラ層と立山火山第2期は約8万年前から約6万年前の期間にあたり、新期御嶽上部テフラ層と立山火山第3期は約6万年前から約3万年前である。 2.乗鞍、焼岳、雲の平・鷲羽の各火山体の地質調査を行ない、各火山の火山活動史を編むと同時に、テフラ層の検出に努めた。乗鞍火山では南麓で厚い降下軽石堆積物を発見し、雲の平・鷲羽火山、焼岳火山では樅沢岳火山のAーPm軽石層と同時の奥飛騨火砕流堆積物との層位関係を確認した。 3.規模の小さいテフラ層を検出するため長野市の更新世中期〜後期の湖成堆積物、高野層を精査した。このシルト質堆積物から水中1次テフラ層とも言うべき堆積状態で、御嶽、立山火山のテフラ層と遠来の広域テフラ層が発見された。しかし、乗鞍、焼岳、雲の平・鷲羽のテフラ層は見られなかった。テフラのない火山では絶対年代測定などの積極的活用が必要である。 4.乗鞍火山帯周辺の火山岩の年代値をテフラ層序と絶対年代測定値から求め、火山活動の消長を検討した。全体的に約50万〜30万年付近と、約10万年前後から3万年付近に活発な活動期がある。乗鞍火山帯は奥飛騨火砕流堆積物の噴出のあと活動を始め、2つの活動期があった。古期の活動は約50万年前〜30万年前、新期の活動は約10万年前に始まり、御嶽、立山火山では約3万年前まで、乗鞍、焼岳火山では完新世まで続いた。新期の初期には火山毎にもっとも珪長質な噴出物が噴出された。約30万年前から約10万年前頃の噴出物は稀で火山帯全体の静穏期だったらしい。御嶽、立山では最近3万年間は水蒸気爆発のみを行なっている。
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