研究課題/領域番号 |
62540586
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地質学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
富田 宰臣 九州大学, 理学部, 助手 (20037196)
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研究分担者 |
三木 孝 九州大学, 理学部, 助手 (50037272)
石橋 毅 九州大学, 理学部, 助手 (50037264)
山下 明夫 九州大学, 工学部, 助手 (20037790)
小原 淨之介 (小原 浄之介) 九州大学, 教養部, 教授 (60038411)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 第三紀夾炭層 / 九州北部炭田 / 古第三系堆積盆地 / 第四紀地殻運動 / 炭田堆積盆地 / 炭田形成史 / 古第三紀地史 / 第四紀地殻変動 / 逆断層 / 地すべり性堆積物 |
研究概要 |
炭田堆積盆地の基盤岩は古生層・変成岩類から白亜紀花崗岩類まで、当地方先第三系のすべてが含まれる。小倉炭田の基盤は著しい凹凸を示すが、他の調査地域での不整合面の起伏は比較的緩やかで、堆積盆地の原地形が地域により多様なことを示唆している。第三紀層には基底礫岩と特定できる岩層は無く、多くの場合、礫混り砂岩を主とする岩相変化に富む粗粒岩層が不整合面を覆う。当地方の非海成第三紀層は、粗粒岩優勢の上方細粒化型堆積輪廻相を示し、輪廻層を部層の単位として識別できることもある。基盤に起伏のある場合、これら輪廻層の各部位がアバット状に基盤に接するほか、一方向に向って下位の地層が尖滅・アバットする傾向も数地域で認められた。このことは炭田堆積盆地が或る小区域から炭田全域に次第に拡大したことを示唆する。又しばしば紫赤色岩層が基底部付近に見られるが、その中には明らかに地すべり性堆積物と判断できるものがあり、炭田形成初期には、周囲の基盤岩地域から河川系と別個にこのような形での砕屑物流入も多かったと思われる。しかしこのような推論が九州北部炭田全域で適用できるのか、又各炭田独自の形成発達過程を持つのかを知るためには、更に調査域を広げる必要があるが、現在市街地化したり各種施設用地として踏査不可能の所も多く困難が予想される。基盤岩の地質構造、特に断層については予備調査以上の資料は得られなかった。宗像炭田周辺の関門層群は分布・層序の再調査が必要であろう。又花崗岩中の断層は発見が困難だが炭田構造には重要と思われ検討を要する。第三系縁辺を画する断層は少なくとも第三系堆積前(又は最初期)・堆積中・堆積後の3回の活動が考えられるが、第四紀宗新世での活動例も見出され、これらを選別し断層発達の過程を考察するにはより多くの未知資料が必要で、第四紀学・土木地質学分野の情報を得て今後の検討を進めてゆきたい。
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