研究課題/領域番号 |
62540597
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
層位・古生物学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
猪郷 久義 筑波大学, 地球科学系, 教授 (20015572)
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研究分担者 |
指田 勝男 筑波大学, 地球科学系, 助手 (60134201)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 飛騨山地 / 古生界 / 化石層位学 / 古生物地理 / 古生界化石 |
研究概要 |
化石層位学的研究に関しては、紡錘虫、サンゴ化石について従来の研究代表者の研究の再検討と、更に詳細な研究という形で行なわれ、一の谷層、荒域川層・小滝川層などを主な対象とした。古生物地理的研究は従来の資料と近年の諸外国の資料、特に中国大陸の資料の総点検を行って両者を比較した。また先年来行った海外学術資料の特集品の検討から、かっての太平洋での堆積域の推定やテーテス東縁の問題を考察した。以下その主要点である。 紡錘虫・小型有孔虫を主体としてみた化石生物相は、秋吉相、飛騨相、北上相、秩父相が石灰紀に認められ、ペルム紀まで考えると秩父相が従来の内帯と外帯に区分できそうである。秋吉相は秋吉石灰岩を模式とし、帝称・阿哲・青海などのいわゆる大石灰岩を含み、プロフズリネラ・フズリネラ帯にそれぞれ特徴的な化石がみられる。フズリナ・トリテイサイテス帯の化石内容はやや貧弱である。飛騨相は一の谷層を模式的とし、エオスタッフエラ帯からトリテイサイテス帯までほぼ完全に化石帯がそろい、特にフズリネラ-フズリナ帯、トリテイサイテス帯に特徴的な化石が多い。北上相は北上山地の鬼丸層・長岩層が模式的であるが、残念ながら上部石灰系が欠如していて化石層が十分論じられないが、ベルム紀の阪本沢層を含めて、かなり特徴的な古生物地理区を形成している。秩父相は従来の外帯の諸地域に点在するが、九州の矢山岳、四国の板取川層、関東山地などかなり多くの比較に十分たえられる資料がある。これらを総括してみると、古生物地理区としてかなり独立したものが浮んでくる。また東アジア、特に中国大陸や沿海州のものとの比較、東南アジア、さらに北米ユルデイレラ地域との比較を行ってみると、かつての太平洋パンテラッサでの生息域の推定が可能となることが判明してきた。
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