研究課題/領域番号 |
62540604
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
層位・古生物学
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研究機関 | 熊本大学 国立科学博物館 |
研究代表者 |
植村 和彦 (1989) 国立科学博物館, 地学研究部, 主任研究官 (50000138)
田村 実 (1987-1988) 熊本大学, 教育学部, 教授 (40040018)
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研究分担者 |
上野 輝弥 国立科学博物館, 地学研究部, 室長 (50060801)
桑野 幸夫 国立科学博物館, 地学研究部, 室長 (50000104)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1987年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | 古植物 / 新生代 / 層序 / グリンタフ / 環日本海地域 / 古地理 / 白亜紀非海生二枚貝化石群 / 手取層群 / 北谷互層 / Trigonioides / Nippononaia / Pseudohyria / trigonioides |
研究概要 |
日本海の沿岸部に発達するグリンタフ下部層中の植物化石および共産化石を調べ、その層序学的位置づけと化石群の組成解析から、前期中新世を中心とした植生・古地理を考察した。2ケ年の研究成果は次のように要約される。1.グリンタフ下部層の模式的発達地である男鹿半島で、新旧2層準の植物化石群(阿仁合型フロ-ラと台島型フロ-ラ)の再調査の結果、それらの層序学的位置づけと対比に関する有効な資料を得た。また、台島フロ-ラについて詳細な分類学的検討を行ない、54種を識別した。2.植物化石群組成から前期中新世後半の南北緯度差をもとめ、本州中部から樺太の組成変化と植生移行状況を明らかにした。一方、西日本のものは、北日本のものほど変化がなく、緯度的変化よりも当時の陸域内での変化に支配されていると考えた。3.植物化石群の同様な検討により、前期中新世前半の植物化石群は、太平洋側の植物群に比べ、大陸側のものほど温冷要素が顕著であることを明らかにした。この組成変化は前期中新世後半には解消していることから、日本海生成に伴なう古地理変遷を反映しているものと考えられる。4.日本海沿岸部のグリンタフ生成期植物群の既存資料をデ-タベ-スとして入力した。これには、樺太、沿海州、朝鮮半島の資料も加え、今後の研究の基礎資料とした。5.本州・北海道の資料の比較に重要な樺太の中新世植物について、それらの分類学的検討を行なった。6.以上の成果をふまえ、日本海生成にかかる地質学的諸問題の解明に基礎資料となる、グリンタフ生成期とその前後の時代について、陸域植生に重点を置いた古地理図として提示した。
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