研究概要 |
計算機で作成した架空の被写体の三次元表示を目的として, 断層面多重記録ホログラムの自動作成について研究し, 以下の項目の様な結果が得られた. 1.高分解能2値出力型ハードプリンターを使用した. ホログラム原画用中間調画像の自動作成. (1)高分解能プリンターとして, 240dpiのLED静電プリンターを使用し, ポリエステルフィルムにディザ法で中間調画像を出力した. (2)ディザパターン用マトリクスは, プリンターの微細パターン出力特性の関係から, 分散型より集中型の渦巻または網点型の方が, 階調性がよい. (3)ディザ表現した画像をフログラムで三次元的に重ねると, 重なり合った断層像間にモアレ縞が生じることがある事がわかった. これは, <1>ディザパターンの方向をかえる. <2>ディザのマトリクスサイズをかえる. <3>以下に述べる方法で周期的パターンを消去する, などの対策により解決できた. 2.ディザパターンの消去. 原画投影光学系に2重回折光学系と空間周波数フィルターを組み入れ, フィルタリングによりディザの周期的パターンを消去する光学系を考察した. 3.多重断層ホログラムのための原画の作成. 三次元的な被写体を, 固定したカメラによりピントを合わせる位置を換えて撮影した数枚の画像から, コンピューテッドトモグラムにおける同時遂次近似法に類似する方法により, 被写体の断層像を作成する方法を考察した. この際, 被写体を同時に2方向以上から撮影し, それらから断層像をつくれば, 収束性が改善されることが示された. これらの断層像からホログラムを作成できる. 4.さらに, プリンターにより作成された画像を, ホログラフィックステレオグラムの原画にも適用した.
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