研究概要 |
1.フーリエ変換により発生するモアレじまとひずみの関係を, 一次元の場合, ミスマッチのある場合, 二次元の場合について明らかにした. 2.アダマール変換により発生するモアレじまとひずみの関係も明らかにした. さらにこれを発展させ, 濃度むらのない美しい等変位線が得られる濃度差間引き法を開発した. 3.フーリエ変換およびアダマール変換を用いたひずみ解析プログラムおよびパソコンを用いた高速汎用画像処理プログラムを作成した. これにより安価に画像処理システムが構築でき誰でもが利用できるようになった. 4.画像を高速で入力る高分解能テレビカメラを試作した. 5.切り欠きや円孔を有するゴム試験片に本方法を適用し, そのひずみ分布を計測し, 本方法の有効性を確認した. 6.ゴム管を伝わる除荷応力波の伝ぱを撮影し, その変位分布, ひずみ分布, 変位速度分布, ひずみ速度分布を解析した. ひずみ速度分布を求めるには, 変位分布を2回微分せねばならず, 従来の方法では精度が悪く意味のある結果が得られなかったが, 本方法を用いれば, 滑らかな分布が得られた. 7.高速で画像処理を行い, 実時間で美しい等変位線計測ができる濃度差間引き法を行うハードウェア回路を試作した. その結果動的現象も実時間で変位解析ができるようになった. 8.フーリエ変換によるモアレじまの発生機構を逆に利用し, 印刷物の網取り時に発生するモアレじまの防止法および網点発生法を考案した. なお, 本研究は画像工学コンファレンスにて優秀ポスタ賞を得た. 9.今後この方法を発展させ, 三次元形状をもつ物体の三次元ひずみの計測を行いたい.
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