研究概要 |
(1)歯車装置を騒音源としてみたときの特徴を明らかにすることが重要であるとの観点から, 試作した一段平歯車装置の振動状態を予測する手法を開発し, その妥当性を実験により検討した. 歯車装置を歯車対とこれを支える軸・軸受系からなる分系1と, これらを収容する歯車箱からなる分系2とに分割し, それぞれの振動モデルを定めてそれらの伝達関数を求め, 両者を部分構造接合法により接続して, 歯車対の動荷重に対する歯車箱表面の振動応答を求めた. 各分系の特徴は実験値と良い一致を示したが, 接続後の全系に対する応答を定量的に予測するには至らなかった. (2)通常の測定環境での測定法を検討するに先立ち, より理想化された環境の一例として無響室内に供試歯車装置を設置し, その近傍に2面の反射壁が存在する場合の音響パワをインテンシティ法で測定した. その結果, 一例として, 歯車装置から400mmの距離に相隣る大きな2反射面がある場合, 歯車装置表面より130mm離れた測定面で測定したパワは, 反射面がない場合に比べ, +2bBの増加にとどまった. (3)歯車箱の放射音場を解析するに先立ち, より単純化された音源として直交折曲板を対象として, 境界要素法によりその放射効率を数値的に求めて波長定数化との関係を明らかにした. また, この時得られる音場は, 音圧・インテンシティに関し, 実験値とよく一致した. (公表予定)
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