研究概要 |
研究実施計画に従って研究を行い, 以下に述べる成果を得た. 1.擬似衡撃波を正方形管および円管内の上, 中, 下流部に発生させ, ピトー全圧管により, 擬似衡撃波内の全圧分布を詳細に測定した. 2.熱線流速計で擬似衡撃波内の低速領域の流速測定を行った. しかし, 真の流速を得るための温度補正が難しく, 現在のところ満足すべき結果は得られていない. この研究は今後さらに行う予定である. 3.二重露光レーザホログラフィ干渉計写真で擬似衡撃波の内部構造を初めて観察した. 4.以上の結果より, 擬似衡撃波の構造に関し, 次のような新たな知見を得た. (1)擬似衡撃波の発生位置が下流側へ移動するにつれ, 擬似衡撃波の構造は入形からX形に変わる. (2)入形擬似衡撃波の場合, 先頭衡撃波前枝付近で境界層ははく離する. (3)擬似衡撃波内で, 壁面近くの低速流と中心部の高速流は混合し, 流速, 全圧分布は一様化してゆく. 5.正方形管内の擬似衡撃波の振動現象に及ぼす擬似衡撃波発生位置の影響を, 高速度シュリーレン写真と擬似衡撃波内の壁面圧力変動のスペクトル解析によって調べ, 次のような新たな知見を得た. (1)管路の上流部に発生する入形擬似衡撃波は, 0.2Dの振幅と40Hz以下の周波数をもち振動する. ここにDは管幅である. (2)下流部に発生するX形擬似衡撃波は, 0.3Dの振幅と, 70Hz以下と150〜300Hzの周波数成分をもち振動する. (3)擬似衡撃波内の壁面圧力変動は擬似衡撃波の振動によって誘起される. (4)擬似衡撃波振動の基本周波数は, 擬似衡撃波先頭部から管路出口端までの気柱の気柱振動基本周波数とほぼ一致する. 6.後の11で述べる研究発表を行った.
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