研究課題/領域番号 |
62550126
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
永田 拓 岐阜大学, 工学部, 助教授 (50021598)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 円柱まわりの流れ / 非定常境界層 / 境界層のはく離 / はく離渦 / 境界層方程式の特異点 / 流れの可視化 / 表面せん断応力 |
研究概要 |
一様流中で、円柱が静止している場合と流れを横切って振動する場合および静止流体中で円柱が突然出発する場合の円柱近傍の流れについて詳細な可視化実験を行い、境界層の特性値(排除厚、形状係数、外縁速度、表面せん断応力)が円柱の方位角と時間によって変化する状況を明らかにした。そして、これらの三つの場合のはく離点近傍における境界層の特性値を対比し、最近の理論的研究が示唆する境界層方程式の特異点との関連について考察を加えた。主要な実験結果は、次のようにまとめられる。 1.レイノルズ数Reが10^3程度の流れでは、いずれの場合の境界層にも、境界層方程式の特異点の存在を示唆する明確な特異現象は認められない。 2.「振動円柱」の場合には、はく離点が上流に移行する場合のはく離点近傍の流れは、静止円柱の場合と大きくは変わらない。しかし、はく離点が下流に移行する場合には、静止円柱の場合とは異なり、表面せん断応力の消失点と円柱表面からの色素線のはく離点は一致しない。 3.「出発円柱」のはく離点近傍の流れ(Re=10^3〜10^4)の変化が、可視化実験により明らかにされた。Reが大きいほど、円柱表面のより近い位置にはく離渦(一次渦)が形成され、二次渦が形成されるまでの時間間隔は短かくなり、はく離点も上流に移行する。本実験よりさらにReが大きい場合には、一次渦と二次渦は同時に形成され、その発生時点は、理論が示唆する境界層方程式の特異点の発生時点に一致する可能性がある。そして、この時点の境界層は、定常流の場合と異なり、下流の二次渦の形成によって上流の境界層が突変的に円柱表面から離脱するものと考えられる。 さらに、円柱が流れ方向に振動する場合についても同様な実験を行ったが、円柱背後の渦構造はきわめて複雑に変化し、はく離点の移動も著しく、境界層の特性値の測定ができなかった。
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