| 研究概要 |
1.脈動周波数fが平均バースト周波数f_Bに比べて約1けた小さい脈動流れに着目し、4象限分類に基づく条件付抽出法により乱流構造を調べた。乱れは断面平均速度U^^ーmの変動に追づいして定常流の乱れと同じ組織的構造に基づいて壁近傍で発生し、減衰しながら半径方向に伝ぱする。このとき減衰の程度は定常流の場合と同じである。
2.軸方向乱れ成分U′のrms値U′rmsの基本波とU^^ーmの基本波に着目したとき、両者の間にはΔtの時間遅れが存在し、U′rmsはU^^ーmに遅れて変動する。ここではΔtの最も小さい値をΔtgと表記し、その半径位置を乱れの発生位置Ygと定義した。この位置はY^+g〓20と表される。
3.乱れの半径方向伝ぱ時間(ΔtーΔtg)は非定常性の影響を受けない。しかしΔtgはfが高いほど大きくなる。(ΔtーΔtg)とΔtgは時間平均レイノルズ数の増加とともに減少する。
4.乱れの生成領域近傍の伝ぱ時間(ΔtーΔtg)は内部パラメータのU^^ー_*,taとνで整理できる。U^^ー_*,taは時間平均摩擦速度、νは動粘性係数である。
5.管中心近傍の(ΔtーΔtg)はU^^ー_*,taと管半径Rを用いて整理できる。
6.乱れの伝ぱ時間(ΔtーΔtg)に対して二つの実験式(壁近傍,管中心側)を提案した。両領域の境界は両式の交点とする。
7.脈動流れのレイノルズ応力と総括うず動粘性係数のモデルを提案した。
8.fを高くしていくと圧縮性の影響が現われ、時間的加速度だけでなく場所的加速度の影響の下で流れの再層流化が起こる。このときの組織的構造は定常乱流の構造と顕著に異なっている。
9.圧縮性が乱流構造に及ぼす影響をみるために、乱流過渡流れの乱れの発生と伝ぱの特性を調べ、圧力波の重要性を指摘した。
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