研究課題/領域番号 |
62550139
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 沼津工業高等専門学校 |
研究代表者 |
松沢 照男 沼津工業高等専門学校, 電気工学科, 助教授名 (80020824)
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研究分担者 |
福嶋 孝義 信州大学, 医学部心脈管病研究施設病態解析部門, 助教授
FUKUSHIMA Takayoshi Institute of Cardiovascular Diseases, Shinshu Unversity School of Medicine
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1987年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 物質移動 / 流れの可視化 / 有限要素法 / 馬蹄形渦 / 動脈瘤 / 血管分岐部 / 応力解析 / 壁ずり応力 / 血液血管界面の物質移動 / 3次元有限要素法 / 血管分枝部 |
研究概要 |
1.動脈瘤の拍動流パターンと壁内応力分布:流れの可視化法を用いて動脈瘤内の拍動流パターンを調べた。加速の初期に、流れは動脈流内の中枢側から剥離を起こした。流れの剥離域と渦は急速に成長・肥大し、瘤内全体に広がった。この間に渦の中心は動脈瘤内の中枢側から末梢側に移動した。加速期に終りに、一時的な逆流が動脈瘤の壁と渦との間に生じた。流量や拍動の周波数を高くすると、動脈瘤の末梢側で乱れた。動脈瘤の長さを増加させるとおなじ様な効果があらわれた。拍動の振幅を小さくすると、定常流に似たパターンになった。有限要素法を用いて軸対称の動脈瘤を通過する速度場と圧力場を求めた。計算した結果は、可視化実験の結果とよく一致した。末梢側での渦の生成と消滅により、複雑な圧力場と壁ずり応力場になった。流量のピークで、壁ずり応力の最小値と最大値は瘤の出口端のすぐ上流と下流に発生した。壁ずり応力と圧力が動脈瘤の血管壁に負荷したときの、血管壁内の応力分布を求めた。壁内の応力分布には壁ずり応力よりも圧力による影響が大きかった。せん断応力の大きい領域が瘤の中心と出口端に発生していた。 2.頸動脈分岐部での流れのパターン:透明化処理したヒトの総頸動脈の拍動流パターンを流れの可視化法用いて調べた。非対称の狭窄管内の流れに観察された馬蹄形渦に似た螺旋状の渦運動のパターンが、この研究で使われた全てのヒトの総頸動脈に観察された。レイノルズ数が100以上の定常流で観察された馬蹄形渦は、拍動流の減速相でも観察された。この旋回運動により、分岐の頂点の上流側の壁に淀み点が生じた。この位置は、枝管への流量比に依存して変化した。また流れの剥離域が枝管の内側と外側に観察された。 3.分岐管の管軸に垂直な断面の管壁内の応力解析をした。長軸上の断面では、内側に引っ張り応力、外側に圧縮応力が生じた。壁内の力学的性質と血管病変との関連に注目する必要がある。
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