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炭酸ガスの促迫拡散による模型人工肺の性能改善

研究課題

研究課題/領域番号 62550163
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 熱工学
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

谷下 一夫  慶應義塾大学, 理工学部機械工学科, 助教授 (10101776)

研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード人工肺 / 炭酸ガス除去 / 促進拡散 / 炭酸脱水酵素
研究概要

近年, 急性呼吸不全に対して炭酸ガスのみを膜型人工肺により効率よく除去する方法が有用であると, Kolobowにより提唱され, 炭酸ガス除去効率の高い人工肺が必要とされている. 血液において大部分の炭酸ガスは重炭酸イオンの形で輸送され, 重炭酸イオンの量が多い場合, 物理的に溶存した炭酸ガスのみの分子拡散を比較すると, 見かけの輸送量が増大する効果を生み, これを促進拡散という. 本研究では, この現象を人工肺の炭酸ガス除去機能に利用することによって, 人工肺の炭酸ガス除去性能を改善することが目的である. そこで炭酸ガス除去性能が促進拡散によってどのような影響を受けるかを実験的に調べた. 血液中の炭酸ガスの促進拡散は, 赤血球中に含まれる炭酸脱水酵素の作用のために顕著に表われる. 炭酸脱水酵素は, 溶存炭酸ガスを重炭酸イオンに変化する反応速度を高める作用を持つため, 重炭酸イオンの量が増加するからである. そこで重炭酸脱水酵素の働きを顕著にするため, 本研究では, イヌから採取された血液中の赤血球膜を浸透圧によって破壊し, 内部の酵素を一様に血液中に分布させた状態で炭酸ガスの拡散係数を測定し, さらに微孔性ポリプロピレン中空系の人工肺に流して炭酸ガス除去量を測定した. 溶血した血液試料の見かけの拡散係数は, 低炭酸ガス分圧のもとで顕著な増加を示し, ヘモグロビン含有量約12g/dlの時, 分子拡散の場合の約3倍以上に増加した. この結果をふまえて人工肺に溶血した血液を流して, 炭酸ガス除去量を測定した結果, 溶血していない血液の場合よりも約50%以上炭酸ガス除去量が増加した. しかしながら, 実際に人工肺を臨床医学に用いる場合には, 溶血した血液を用いることは出来ないため, 精製された炭酸脱水酵素を血液に加えるなど, さらに工夫が必要と思われる.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 谷下一夫 他: 医用電子と生体工学. (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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