前年度作製した軸継手特性試験装置に金属板ばね形およびゴム形軸継続手を組込み、これらを含む回転軸系の振動実験を行った。 金属板ばね軸継手では、継手中間体を運動質量とし金属板ばねの軸方向剛性をばねとする軸方向振動が、特定回転速度で顕著に発生することを観察した。この共振振動数は軸方向ミスアライメントが大きくなるにつれて高くなり、また、共振点における振幅は偏心および偏角ミスアライメントとともに大きくなることを確認した。しかしながら、この振動は、いわゆる、強制振動の共振であり本研究対象の特異振動には入らない。また、これ以外に問題となるような振動は観察できなかった。 ゴム形軸継手についてせ、そのねじり振動において、ゴムのトルク-ねじれ角特性に非線形性が見受けられること、ゴムの減衰は顕著な温度依存性をもつことを確認した。これらの特性は、ねじり振動応答における共振振動数および共振振幅に影響を及ぼすが、特に特異振動と呼ぶべきものではない。 以上より、本報告のまとめにあたっては、前年度の歯車形軸継手の特異曲げ振動について述べることとし、特異振動に及ぼす各パラメータの影響についてマトリクス表を作成し特異振動の特徴を明らかにした。
|