研究課題/領域番号 |
62550241
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子通信系統工学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
武部 幹 金沢大学, 工学部, 教授 (20019699)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | アダプティブフィルタ / エコーキャンセラー / オールパス回路 / 学習同定法 / 関係除去法 / シグナルプロセッサ応用 / マルチシグナルプロセッサ構成 / 直交関数系実現回路 / システム同定 / 有色信号 / 相関除去法 / ARモデル / 極配置法 / 状態変数形回路 / IIRフィルタ / 除算の高速化 |
研究概要 |
エコーキャンセラ等では、適応フィルタの回路規模の縮小、高速スループットの実現、制御の収束の高速化と確実化が課題である。本研究では時間域で互にい直交するタップ応答を有するパイプライン可能なIIR形回路を用い、タップ応答の重み和を出力する構造の適応フィルタの構成法と制御法を研究した。成果の概要は次の通り。1.直交するタップ応答を作るオールパス縦続回路の極を半径一定の円上に等間隔に配置すると、タップのインパルス応答は有限長正弦/余弦波となり、フィルタ特性は周波数サンプリング形に似ている。2.同定対象のシステムの特性が時間的にゆるやかに変化する場合、その遅延特性を知って遅延に比例した密度でオールパスの極を配置すると、周波数サンプリング形より優れた特性が得られる。別法として未知システムの出力に等間隔極配置の適応フィルタを置いて、インパルスに対する各タップの出力応答の長さを測り、長さに比例した極密度を与えると、前者より残留誤差を減らせられる。3.タップ係数制御における信号電力の正規化のための除算を、タップごとではなく1箇のタップについて行い、また除算を表引きを利用して行うことにより、学習同定法では演算量を約50%削減できる。4.2次オールパス関数を実現する状態変数形、1D形、同転置形の3種の回路のシグナルプロセッサによる実現を検討し、状態変数形が動作ステップ数が最も少いことを見出した。5.有色信号に対して相関除去法は有効であったが、可変ステップアルゴリズムは無効であった。6.マルチプロセッサで構成する方法として、外部RAMを複数のプロセッサで共有させ、オールパス部をパイプライン処理し、タップ係数部を並列処理する方法が効率が高い。7.オールパス回路を格子回路で置き換えてもフィルタ特性の差は殆んどない。前者の方が極位置と回路の係数の関係が単純なので、極を制御するには都合が良い。
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