研究課題/領域番号 |
62550269
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
情報工学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
中川 正雄 慶應義塾大学, 理工学部・電気工学科, 教授 (30051882)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1988年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1987年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | HMM / 雑音 / 連続音声認識 / Trigram / 人工知能 / 音声認識 |
研究概要 |
本研究から以下のことが確認された。 (1)我々は複数の候補を出力可能な隠れマルコフモデル(HMM)を用いたフレ-ム同期型連続音声認識アルゴリズムを提案した。このアルゴリズムは、言語情報としてtrigramを用いた場合には、最適単語系列の近似的な解を求めることができる。本アルゴリズムではさらに、ビ-ムサ-チを導入し演算量の低減を図る。本アルゴリズムを用いて100単語の語彙からなる文の連続音声認識を行った結果、1位の文認識率71.3%、10位までの累積認識率88.8%を得た。この結果は複数の候補を求めない手法に比べ、各々2.5%、12.5%の向上となった。またビ-ムサ-チの導入により演算量の増加も抑えることができた。 (2)我々は環境雑音に強いセパレ-トベクトル量子化(SPVQ)を用いた不特定話者HMM(Hidden Markov Model)音声認識システム(帯域分割SPVQ-HMM方式)を提案した。提案するシステムは音声に重畳する雑音による影響と、発声変形による影響を同時に低減することができる。本方式で実験を行った結果、通常のHMMに比べ5〜16%認識率が向上した。 (3)我々は、日本語の単音節に着目し、単音節レベルと単語レベルの2段階にHMMを用いたシステムを提案した。本システムの特徴は、従来の単語音声認識システムに比べて、辞書を記憶するための記憶容量を低く抑えることができるという点である。また、その効果は大語彙になるほど大きく、500単語の場合には、39%に低減される。本システムで女性1名の発声による100単語の認識実験を行ったところ、99.4%の認識率を得、従来のシステムと同等の認識率で記憶容量を44%低減することができた。
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