研究課題/領域番号 |
62550284
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子機器工学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
米沢 義道 信州大学, 工学部・情報工学科, 教授 (90020982)
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研究分担者 |
伊東 一典 信州大学工学, 情報工学科, 助教授 (30043045)
伊藤 一典 信州大学, 工学部・情報工学科, 助手
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 音痴 / ピッチ / 矯正 / 発声精度 / 発声 |
研究概要 |
まえがき ひとの音高感覚の低い状態を発声あるいは歌唱の面から捕らえた言葉が音痴である。この言葉はかなり一般的に用いられるもののこれに関する研究は、音楽教育、医学の面からもあまり行われていない。最近のカラオケブームは一般人の歌唱の機会を急増したため音痴は従来になくクローズアップされている。この歌唱時の機能的現象を工学的に捕らえ、その矯正方法までも検討したのが本研究である。 1音痴の基礎特性;音痴が音高感覚的にどの程度通常人と異なるかを発声音の周波数精度、発声を伴わない調整音の精度で調べた。この結果かなり程度は異なるものの通常の数倍の精度の悪さが、周波数誤差、周波数偏差に現れた。このような表現の荒さがどこからくるのか様々な実験を行ったところ、音声を含む複合音中からの基本周波数の抽出が不得手なことがわかった。このことは発声中の自分の声からその基本周波数(ピッチ)の抽出ができないことが音痴のひとつの原因である可能性を示している。 2音痴矯正の試み;1の結果を踏まえて、音痴に自己の発声のピッチを認識させるために、通常人がその聴覚内で行っているピッチ抽出機能を外部装置に代行させることを考えた。このため発声音から高速でそのピッチを抽出し、さらにそのデータから同ピッチ周波数の新たな合成音を発生する装置を作成した。この装置を用いて音痴に発声させる実験を重ねこの装置により、ほとんどの音痴が発声精度の向上が見られることを確認した。同時に進行していた基礎実験からは発声の過渡特性からも音痴の顕著な特性が見いだされ、音痴のメカニズムの検討が進んだ。これから、音痴は聴覚における音高感覚の荒さが発声に影響を霜えたものと思われ、前記矯正方式の適用がピッチへの関心度を深めて、矯正効果ばかりでなく同症状の治療効果を持つことも期待される。
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