研究課題/領域番号 |
62550345
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
コンクリート工学・土木材料・施工
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
前川 宏一 東京大学, 工学部, 助教授 (80157122)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1987年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | せん断 / ひびわれ / 接触 / エネルギー吸収 / 構成則 / コンクリート / ひびわれ面 / 拘束圧縮応力 / 剪断応力 / 終局剪断強度 / 接触面密度 / 履歴特性 / 鉄筋の引き抜け |
研究概要 |
せん断破壊面におけるエネルギー吸収能と変形挙動に関する実験装置を作製し、コンクリートせん断破壊面の繰り返し応力下での変形挙動と履歴性状について検討した。その結果、せん断破壊面の開口方向に拘束がある場合消費エネルギーは破壊面形勢およびせん断ずれに伴う塑性エネルギーに支配されること、コンクリートの骨材や強度に履歴性状が影響される事などが定量的に求められた。これらを基礎に、任意の応力経路においてもエネルギー吸収量を評価できる履歴依存型構成則の定式化を図った。以下に概要を述べる。(1)せん断破壊面の幾何学的形状を変化させる目的で、モルタル、高強度コンクリートおよび軽量骨材コンクリートのひびわれ領域の変形挙動を測定した。その結果、せん断破壊面のエネルギー吸収能力には、破壊面の形状、接触点での摩擦損失および接触近傍のモルタルの塑性変形が支配要因であることが、明確に示された。 2.破壊面の形状を表現するために、接触方向の頻度を代表する接触密度の概念を導入した。定量化にあたっては、種々のコンクリートの破壊面の実測から、これを決定することができた。 3.接触領域での摩擦損失を塑性損失の2者に対し、完全弾塑性モデルを仮定することで、広範な載荷履歴に対応できる履歴依存型の応力伝達構成則を導くことができた。破壊面の開口・閉合を伴う、特殊な経路を含めた検証実験の結果、極めて高い精度と広い適用範囲を有する、せん断破壊面の力学挙動を記述する力学モデルを得ることができた。 4.既往の鉄筋の付着符性と鉄筋の構成則を、得られたコンクリートのせん断面のモデルと組み合わせることによって、鉄筋の交差するせん断破壊面の挙動も精度よく、予測できることを実証した。
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