研究概要 |
研究代表者は, 粘土の応力やひずみが, つりあい条件や連続条件などを満たしたうえで, 塑性仕事を最小化するように挙動すると仮定する, 粘土の新しい構成モデルを提案している. このモデルとダイレイタンシーの時間依存性に関する単純な仮定を用いて, 等方正規圧密粘土の種々の時間効果を統一的に表現できることを示した. 本研究は, この考え方を異方圧道粘土に拡張することを目標としたものである. 得られた成果は次のとおりである. 1.多数の三軸試験を実施するために, 現有の油圧載荷式3軸装置をひずみ制御方式に改造した. 2.異方K0正規圧密粘土に対して, 定ひずみ速度, 応力緩和, クリープ試験を含む三軸圧縮・伸張試験を追加実施し, 試験データを完備した. 3.過圧密粘土の定ひずみ速度三軸圧縮試験を実施した. 4.等方正規圧密粘土の大型供試体を用いて, 三軸試験供試体内の間隙水圧分布を測定した. 5.2.の試験結果に対して, 上記の構成モデルを適用し, 異方圧密粘土における種々の時間効果も, 上記の考え方で統一的に表現できることを明らかにした. 過圧密粘土に対する適用は今後の課題である. 6.2.4.5.の結果を1988年中に公表する.
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