研究概要 |
海洋空間の利用推進により, 臨海埋立造成が次第に沖合へ建設されることになり載荷量は大きいものになる. 従来, 海底地盤表層にある沖積粘土の挙動把握が主課題として研究されてきたが, それ以深にある洪積粘土層の沈下等が無視できないことが明らかとなった. すなわち, 洪積粘土層の力学特性の解明が要請されている. 我々は, これまで正規圧密粘土の構成式を弾一粘塑性理論に基づき誘導し, さらに過圧密粘土・軟岩の構成式に関してはひずみ硬化-軟化型の弾一塑性体と考え記憶性材料理論に基づき求めている. 本研究では洪積粘土の圧密現象を2次圧密挙動を含めて説明するために, 洪積粘土をひずみ, 硬化-軟化挙動と時間依存性挙動を示す材料とした構成式を, 実験結果に基づいて誘導, 確立した. 主な研究実績は以下の2点である. 1.洪積粘土の力学特性に関する研究 圧密試験・三軸試験を統一的に行い, 洪積粘土の時間依存特性を含めその力学特性を把握した. すなわち, 圧密試験は2次圧密挙動の解明を, 三軸試験はクリープ・応力緩和およびひずみ速さを変えたせん断試験により時間依存特性を解明した. 2.洪積粘土の構成式に関する研究 洪積粘土のひずみ硬化-軟化挙動と時間依存性挙動を統一的に記述できる構成式を記憶性材料理論に基づいて誘導した. 今後は先の構成式の境界値問題への適用が望まれる.
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