研究課題/領域番号 |
62550383
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水工学
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
大同 淳之 立命館大学, 理工学部, 教授 (20072176)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 斜面安定 / 応力分布 / 浸透圧崩壊 / 土石流 / 〓透圧崩壊 |
研究概要 |
土石流の発生に寄与する土砂の供給源に、1)渓谷堆積物、2)谷頭および斜面崩壊土、3)火山噴出物によるものがある。1)の場合は土石流への移行過程は理論的に明らかであるが、2)についての過程すなわちその量および崩土の土石流への移行過程は必ずしも明確でない。本研究は、2)の谷頭堆積物および崩落が滲透力によって崩壊する限界とその規模およびそれが土石流に移行する条件について考察した。 斜面の安定問題は、未知数の数と式の数とが一致しない不静定問題で古くからその解法が論じられて来たものである。解決のためには、土塊の微小要素の鉛直面に作用するせん断力を物理的に正しく評価するのにどのようなモデルを用いるかである。力学的には解明されていないので、底面と同様にク-ロン型で近似するか、未知関数で表わして境界条件を満たすように関数形を決めるかが、今迄にとられてきた。これらの方法は、解析に大型計算機が必要で、かつての解が一つにならず、さらに何らかの条件が必要になる。 本研究は、繰返し計算の労を避けて、一次的に不安定領域を求めるため、次の方法を開発した。土塊内のx、y方向の応力σ_x,σ_yおよびせん断力τ_<xy>が、土塊両端の境界条件を満たす直線分布であると仮定し、これから、主応力σ_1、σ_2およびτを求めた。この主応力より土塊内のせん断抵抗力τ_yをτ_y=σ_1・tanφ、として求め、このτ_yとさきに求めたτとを比較して、τ_y<τの領域が不安定領域で、τ_y=τの線をその境界とし、この不安定領域がスベル方向はモ-ルの円の考え方に従って決めた。実験を行って、実験結果と解析結果が比較的良く一致することを確めた。 以上の考察で、浸透力によって生じる崩壊の安定条件とその崩壊規模が決定され、これが上石流へ移行するのは、渓床型土石流の発生条件で定まるとした。
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