研究課題/領域番号 |
62550398
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
都市工学・衛生工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松尾、友矩 トモノリ (松尾 友矩) 東京大学, 工学部, 教授 (80010784)
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研究分担者 |
花木 啓祐 (花木 啓佑) 東京大学, 工学部, 助教授 (00134015)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1987年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 圧力式下水道 / 気液混相流 / 酸素移動 / 流速測定 / スペクトル解析 |
研究概要 |
重力による流れを用いた従来の下水管きょシステムの欠点は、平坦地において十分な流速が確保できず、汚物が堆積することである。圧力式下水道はこの欠点を克服するために開発されたものである。これに更に空気注入を行なえば管内汚物の堆積を更に防止でき、また好気的状態に下水を保つことができると思われる。本研究では、室内実験により気液的相流を作り、酸素移動特性、流れの乱れ特性、掃流力に空気注入が与える効果を解析した。 1.酸素移動への効果…管路の途中から空気を注入し、下流部の2地点の溶存酸素濃度の変化からk_La値を算出した。k_La値は混相流の流れの形態によって大きく変化した。液相のみかけ流速が0.5m/s以下の領域では、管の上部を空気が、下部を水が流れる「層状流」となり、液相流速の増加と共に気液接触面積aが減少するためk_La値をは漸減した。一方、液相流速が1.0m/sを超えると、水の中に空気の大きい塊が含まれた「プラグ流」となり、k_La値は液相みかけ流速の増大に対して指数的に上昇した。このはあ射、aは流速の増加と共に減少するがk_L自体の増加がはるかに大きいためである。また、空気注入量の増加によってもk_La値は増大することがわかった。 2.流れの乱れ特性への効果…熱膜流速計を設置し流速測定を行ない、出力をディジタル化したあとスペクトル解析などのデータ解析を行なった。空気注入により液相流速の変動及び乱れ強度が顕著に増加した。空気注入量が多いほどこの効果は大きかった。気泡の通過が管内の乱れ生成に大きく寄与していることがわかった。管内にフロックを堆積させた実験を行なった。空気を注入しない系では流速が0.52m/sになって初めて巻き上げが起きたのに対し、空気注入系では空気注入自体が巻き上げを引き起こした。このように、管内の堆積防止に対して空気注入は効果がある。酸素移動と乱れの関係では上下方向の乱れの重要性が示唆された。
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