研究課題/領域番号 |
62550402
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
都市工学・衛生工学
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
平田 強 麻布大学, 環境保健学部環境保健学科 (50005493)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 糞便汚染 / 指標微生物 / 除去性 / 生残性 / 大腸菌群 / ウェルシュ菌 / 大腸菌群ファージ / 水質衛生 / ふん便汚染指標 / 水処理プロセスにおける除去 / 塩素抵抗性 / 細菌汚染のトレーサー |
研究概要 |
(1)水環境における指標微生物の存在量は都市下水では大腸菌群10^6、ウェルシュ菌10^4、大腸菌群ファージ10^3-(いずれもcfu or pfu/mL)、相模川ではそれぞれ10^2、10^1、10^<-1>、富士五湖では10^0・10^<-3>、10^0・10^<-3>、10^<-4>、・10^<-5>であり、滞留時間の長い水域ではウェルシュ菌、大腸菌群フアージの値が相対的に高くなる傾向があった。これらの結果からみて低濃度汚染レベルの微生物の定量的評価には高度の濃縮が必須である。 (2)これら指標微生物の濃縮に陽電荷フィルターを適用したところ、大腸菌群については少なくとも80%、ウェルシュ菌については99%以上の捕集率を示し、低濃度細菌の濃縮に優れた効果があることが明かとなった。しかし大腸菌群ファージの吸着捕集は水質の影響、特にpHと水中有機物の影響を強く受け、条件によっては全く吸着されない結果となった。このことから陽電荷ファルターのファージへの利用に当たっては吸着操作条件の検討が必要である。(3)活性汚泥法においてはウェルシュ菌が最もよく除去され、続いてファージ、大腸菌群の順であった。二段活性汚泥法ではファージの除去性のみが他の2種に較べて約3オーダー高い結果が得られ、処理方法によっても微生物種によっても除去性が著しく異なることが明らかになった。(4)塩素消毒では大腸菌群のみが高度に除去されたが、ウェルシュ菌、ファージの除去効果は低レベルであった。(5)これらの結果から、環境水の衛生状態は大腸菌群のみでは充分には評価できず、特に細菌の評価とウイルスの評価は単一の指標では評価しきれないことを確認した。(6)水の衛生状態の評価に当たっては、汚染の絶対量をウェルシュ菌、衛生状態の変化を、細菌については大腸菌群あるいは糞便性大腸菌群又は糞便性連鎖球菌のいずれか1種、ウィルスについては大腸菌群ファージ、の計3種の指標微生物で評価する手法が優れていると示唆された。
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