研究課題/領域番号 |
62550460
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
資源開発工学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
佐藤 博 秋田大学, 鉱山学部, 助教授 (00006694)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 沈降性スラリー / 堆積層の厚み / 水力勾配 / 管内濃度 / 堆積限界速度 / 一般式 / 輸送設計 / 数値シミュレーション |
研究概要 |
粗粒子を含む沈降性スラリーの輸送システムは、切込炭の輸送、坑内充填、港湾の浚渫および埋立造成、埠頭における荷役、海洋開発など多くの分野にわたってその輸送の効果が期待されているが、それらのシステムでは、濃度、流速、流れの状態等の時間的な変動の少ない、一定な輸送条件に維持することは、極めて困難な場合が多い。それゆえ、輸送設計に当たっては、予め、輸送条件の変動を考慮し、堆積限界速度以下の流動域を含めた広い範囲を計算の対象とする必要がある。 さて、輸送管路に堆積層が形成された状態で、スラリーの濃度の増加あるいは流速の減少等の変動が起きると、堆積層の厚みが増大し、管閉塞を生じる危険度が高くなる。このため、輸送条件と管内堆積層の厚みとの関係および堆積層の厚みの増加に伴う水力勾配の変化を明確にすることは、粗粒子を含む沈降性スラリーの安全・確実な輸送設計上、極めて重要である。しかし、従来より報告されている研究成果は研究者によって異なり、これらの関係を容易に算定できる実用的な一般式は見い出し得ないのが現状である。 本研究では、堆積限界速度以下のスラリーの流動機構について理論的に考察し、その流動現象を包括的に説明し得る一般式を導出した。その研究成果は全編3部からなり、第1部では、輸送条件に対する管内濃度q^^-と吐出し濃度Cとの比q^^-/Cおよびすべり速度の関係を考慮し、それらの算定式を導いている。また、第2部では、管内の濃度分布を考慮した水力勾配の算定式を導出し、これまで未解決とされてきたDurand-Condoliosの式、堆積層の厚み比と比エネルギーとの関係ならびにBatchelorの無次元数などについて検討している。さらに、第3部では、水力勾配を規定する流れ機構に堆積層の厚みが密接に関係すると見なして考察し、その計算方法を確立している。
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