研究課題/領域番号 |
62550473
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
弘津 禎彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (70016525)
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研究分担者 |
一ノ瀬 幸雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (00115099)
井上 泰宣 長岡技術科学大学, 分析計測センター, 助教授 (30016133)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1987年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 固相反応非晶質化 / Co-Zr積層膜 / 高分解能電顕観察 / 金属積層膜 |
研究概要 |
最近、固相反応により非晶質化が進行する合金系が数多く発見されている。これらの固相反応は、二種の金属の積層膜を用いた拡散反応、超微粒子金属同志の拡散反応などを利用している。上述の反応プロセスでの構造変化、物性変化についてはほとんど理解されておらず、このため、本研究ではCo-Zr、Ni-Zr積層膜を利用した固相反応非晶質化のプロセスを高分解能電子顕微鏡により調べる一方、磁気的性質の変化も追求することを目的とした研究を進めた。62年度ならびに63年度前半までにおいて、高真空排気アルゴン・ビ-ムスパッタ装置の製作を行い、到達真空度5×10^<-8>Torr、加速電圧2kVビ-ム電流40mAの装置(基板加熱可能)を完成させた。63年後半から平成元年度中に、Co-Zr、Ni-Zr積層膜を作成、熱処理に伴う構造変化、磁気特性の変化などを調べた。その結果、次の事柄が判明した。〔Co-Zr系〕(1)Co/Zr積層膜の250℃長時間アニ-ルにより保磁力の低下(100e→60e)が見られ、オ-ジェ元素分析より、Co/Zr界面に原子拡散層が認められる。(2)この拡散層幅は数〜数十Å程度であり、電子回折、高分解能電顕によって非晶質性を十分には見出せない。(3)300℃以上のアニ-ルにより、短時間で結晶粒は粗大化する。〔Ni-Zr系〕(1)この系では300〜350℃のアニ-ルにより、非晶質ハロ-回析パタ-ンがX線回析、電子回折で認められた。(2)電顕断面観察によれば、非晶質的構造は数+Åサイズの超微細結晶の集合体であることが判明した。(3)この系では非晶質的構造の形成と、Ni-Zr化合物の結晶成長のプロセスが同時進行する傾向がある。以上の様に、今回の研究では、Co-Zr、Ni-Zr積層膜での非晶質化反応は理想的な形では進行しないことが明らかとなった。Ni-Zr系で観察された超微結晶集合体が、この様な固相反応非晶質構造の実体である可能性は高い。一方、スパッタ速度が遅いため、膜中にC、Oの混入があり、非晶質化反応を阻止した可能性もある。
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