研究課題/領域番号 |
62550482
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属製錬・金属化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
水渡、英昭 ヒデアキ (水渡 英昭) 東北大学, 選鉱製錬研究所, 教授 (70030054)
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研究分担者 |
井上 亮 東北大学, 選鉱製錬研究所, 講師 (70111309)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1987年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 溶融塩 / スラグ / 二液相分離 / 分配 / 鉄 / チタン / モリブデン / シリコン / 溶解度 |
研究概要 |
NaClとNa_2O-B_2O_3系融体間で鉄およびチタンの分配平衡実験を行った。実験は900℃および1000℃で3〜10hr行い、雰囲気は大気、Arまたは脱酸Ar気流(100ml/min)とした。溶解には縦型抵抗炉を用いた。るつぼは高純度アルミナ質である。Na_2O-B_2O_3系融体組成は、NaCl-Na_2O-B_2O_3三元系状態図で二液相分離が生じる範囲、即ち、Na_2O-B_2O_3モル比が約2/3以下である。 予備実験として、Na_2O-B_2O_3系融体中のFeおよびTiの溶解度を900℃で測定した。その結果、Na_2O-B_2O_3濃度比の増加に伴っていずれの溶解度とも上昇し、例えばNa_2O・2B_2O_3組成では各々2.9% および4.6%であった。そこで本実験では、Na_2O-B_2O_3系融体中のFe、Tiの初期濃度を1%未満とした。 NaClとNa_2O-B_2O_3系融体間のFeの分配比はNa_2O/B_2O_3濃度比の上昇に伴って増加し、このモル比が1/3付近で最大値を示した後、減少した。同一のNa_2O/B_2O_3比で比較すると、高温ほど、また、雰囲気が酸化性であるほどFeの分配比は大きくなった。一方、Tiの分配比はNa_2O/B_2O_3濃度比が上昇すると減少する傾向を示した。また、高温ほど大きな分配比となるものの、雰囲気の影響は顕著ではなかった。FeおよびTiをそれぞれ1.4〜4.7%および1.4〜2.2%と増加させた場合、同一Na_2O/B_2O_3濃度比おける分配比は低下した。アルミナるつぼを白金るつぼに代えて、Na_2OーB_2O_3系融体中のAl_2O_3濃度がFeおよびTiの分配比におよぼす影響を調べた結果、Al_2O_3濃度増加に伴ってこれら分配比が微かに減少することを見出した。 同様の実験方法で、Mo鉱石の純化を目的として、Mo、SiおよびFeが共存する状態での分配比を大気下で求めた。その結果、例えば、Na_2O/B_2O_3モル比が1/3の場合、900℃ではMoの1/3量、Siのほぼ全量、そしてFeの9/10量がNa_2OーB_2O_3系融体中に残ることがわかった。
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