研究課題/領域番号 |
62550497
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属加工
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 耿一 東北大学, 工学部, 助教授 (30005425)
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研究分担者 |
佐川 武俊 東北大学, 工学部, 助手 (20005325)
高津 宣夫 東北大学, 工学部, 助手 (30005376)
佐藤 裕久 東北大学, 工学部, 助教授 (50005419)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 板材成形 / 曲げ加工 / 塑性理論 / 成形限界 / 積層材 / 粘弾塑性 / 樹脂複合材料 / 粘弾性 / 振動減衰 |
研究概要 |
本研究は樹脂をコアにした3層積層構造をとる制振鋼板の成形限界を律する現象や成形不良現象の発生するメカニズムを解明し、制振鋼板の成形性に関する特徴を普通鋼板のそれと対比させて明かにし良好な成形品を得るための条件を確立することを目的として実施した。 成形に関連する制振鋼板固有の諸現象はコア樹脂のせん断変形抵抗特性の影響を受けるので、それを定めることを試みる一方で、制振鋼板の成形限界をそのコア樹脂のせん断変形抵抗値との関連に着目して考察した。 まず第1に、制振鋼板の成形性の特徴をおおまかに把握する目的で互いに樹脂特性が明らかに異なると考えられる各種制振鋼板について引張り試験、穴広げ試験、円筒絞り試験を実施した結果、耐しわ性、耐破断性の何れにおいても樹脂の変形抵抗の高いほど良好であり、特に破断限界ひずみはスキン鋼板に較べて著しく大きいことが分かった。 ついで円筒絞りについて破断により絞り限界に及ぼす樹脂のせん断変形抵抗値について着目して詳細に実験的に検討した結果、樹脂のせん断変形抵抗がくびれ部の変形を抑制するため破断限界が向上することが明らかになった。 そこで破断限界ひずみを予測する解析モデルを提案し破断限界ひずみに及ぼす樹脂のせん断変形抵抗値の影響を定量的に評価した。 ついでV-曲げ加工時のフランジ折れ曲げ現象を全ひずみ論により解析して折れ曲げの生ずるメカニズムを明らかにし、折れ曲げの生じない加工条件を樹脂のせん断変形抵抗値の関連で評価した。また、実験によりこの解析の妥当性を確認した。 制振鋼板の成形性に大きな影響を与える樹脂のせん断変形抵抗を定めるためのねじり試験機を試作し、いくつかの樹脂についてひずみ速度を変えて、せん断応力せん断ひずみ線図を求め、各ひずみ速度一定の曲線についてRamberg-Osgood型の加工硬化曲線として整理をし、せん断変形抵抗に及ぼすひずみ速度の影響を明らかにした。
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