研究課題/領域番号 |
62550504
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属加工
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
岸武 勝彦 九州工業大学, 工学部, 教授 (40029880)
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研究分担者 |
永井 恭一 九州工業大学, 工学部, 助手 (50128120)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 共晶状黒鉛 / コラル黒鉛鋳鉄 / ベイナイト鋳鉄 / 射出成形用金型 / 共晶状黒鉛鋳鉄 / 一方向凝固 |
研究概要 |
微細共晶状(コラル)黒鉛の生成条件及び生成機構を明らかにし、さらにこの鋳鉄の基地組織をベイナイト化することによって、プラスチック射出成形用金型に適した材料を開発することを目的として、Ti添加鋳鉄及び真空溶解した鋳鉄を種々の速度で一方向凝固させて、凝固界面温度、ガス元素含有量と黒鉛組織との関係を調べた。また共晶状黒鉛鋳鉄をオーステンパー熱処理したベイナイト基地試料の機械的性質を測定して、プラスチック成形用金型としての適性を調べた。得られた結果を要約すると次のようである。 1) 成長速度の増加によって黒鉛組織は片状から微細共晶状に遷移する。この遷移する速度はTiの添加及び真空溶解処理によって低速度側に移行する。 2) 凝固前面温度と成長速度との関係は、片状黒鉛組織と共晶状黒鉛組織とで差はない。すなわち共晶状黒鉛の生成には必ずしも大きな過冷を必要とするものではない。 3) 微細共晶状黒鉛が生じた試料は片状黒鉛が生じた試料に比べて、固溶酸素及び固溶窒素含有量が低く、両黒鉛組織の生成はO、N濃度によって分類することができる。このことからTi添加または真空溶解による共晶状黒鉛組織の生成は脱酸・脱窒によるものであるといえる。 4) Ni及びCuを添加した共晶状黒鉛鋳鉄をオーステンパーすることにより、基地をベイナイト組織にすることができる。このベイナイト基地共晶状黒鉛鋳鉄は、表面精度、引張強さ、硬さの点から、プラスチック射出成形用金型として有望であるといえる。
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